地金売却

先日、地元の時計・眼鏡店で金の地金を売却した。地金というのは、いわゆる延べ棒のことだ。ただし、今回はわずか10gの金だったので、バーというよりチップというべきサイズだった。この地金は、自分が就職したときのお祝いで、2010年3月に父からもらったものだった。それから約7年、いつか相場が上がったら売却を考えようと思いつつ、ずっと自宅で保管してきた。この金を持っていたことが、実物資産への興味を喚起し、2011年から純金プラチナ積立を始めるきっかけの1つになったのだと思う。ただ、実物の形で自宅保管するのは、紛失や盗難、災害などで消えてしまうリスクが拭えず、何かと不安だった。昨年末の大火も、その心理に拍車をかけた。ちょうど金相場も高止まりしている。そのため、満を持してとうとう売ることにしたのだった。地金の売却は父が購入したのと同じ田中貴金属工業の正規取扱店に申し込んだ。金曜日の夕方に持ち込み、おそらく鑑定を経て、換金可能な旨の連絡が来たのは翌週月曜日。実際にお店に現金を受け取りに行ったのは、それから5日後の昨日土曜日のことだった。売却手続きは簡単に出来て、父の払った元手を差し引いても、飲み会二回分くらいの利益が出た。ただし、注意点が2つ。1つは、売却申し込み時の取引時間が16時までであり、それ以降は翌日にならないと受け付けてもらえないこと。もう1つは、手数料2,000円がかかること(10gの場合)だ。相場を見るときは、手数料分以上の利益が出るかを考える必要がある。売却額は現金で受け取り、そのまま銀行口座に入れて定期預金に振り替えた。手持ちの唯一の現物資産だった金は、ひとまずは貯金に姿を変えたわけだが、今後大きな出費が必要なときに役に立つことだろう。手元の現物資産が軽くなって、気持ちもちょっと軽くなった。純金プラチナ積立のほうは、老後と非常事態に備えた最終兵器として、引き続き積み上げ続けたい。

(携帯、25分)