新年度

時がめぐり、また今年も4月になった。新年度、平成28(2016)年度のスタートである。就職して満6年が経ち、社会人7年目の春を迎えた。大学を卒業して6年、高校を卒業して10年と考えると、ずいぶん長い時が経ったものだとしみじみ感じる。馬場俊英が「高校23年生」という歌を歌っていたが、自分がそうなる日も案外そう遠くない気がしてしまうから怖いものだ。昨日、市内では日中に最高気温25.4度を観測し、本州では今年初となる夏日となった。折からの晴天、気温の高さに急かされるかのように、先週まではつぼみだった桜の花もあれよあれよと開いていき、種々の桜が一斉に見ごろを迎えつつある。満開のピークはさしずめ明後日あたりではないだろうか。桜の花のはかなさを思って感傷に浸る間もなく、気付いたら散ってしまっていたということだけは避けたいものだ。


自分の職場でも、新年度ということで色々な変化があった。新卒の新人が採用になって、4月1日の夜に若手で歓迎会をやった(自分の採用以降では採用初日の歓迎会は初めて)し、職場で一番仲のいい同僚だったDK氏が関東の機関に出向してしまった(朝活や自転車で一番お世話になっていたので寂しい)し、自分の課でも人事異動があった。自分は幸か不幸か異動がなかったたので、遅れに遅れている評価担当の仕事を旧年度から引き続き進めなくてはならない。ただし、自分も座席の移動はあり、同じシマの顔ぶれも変わったことに新鮮さを感じている。これを機に、仕事のやり方、考え方を変えなければと思っている。


4月最初の週末となった2日、3日の土日には、色々なことを片付けることができた。ディーラーで半年点検を受けるついでにスタッドレスタイヤからノーマルタイヤに換装してもらったし、スキー板を片付けて代わりにロードバイクを引っ張り出したし、冬物の服も少し整理した。消防団の予定をこなしつつも、本も読めたし、マンガも読めた。いい週末だったと思う。ただ、惜しむらくは、あまり考え事ができなかったことだ。日々色んな行動を積み重ね、物事を前に進めているつもりだが、そこに自分なりの深い考慮、不断の反省が伴っていると、なおよいのになと思う。


繰り返しになるが、自分が大学を卒業してから6年が経った。大学の卒業式の日、このブログで坂本真綾の「ユッカ」という楽曲から、「いつか誰かと僕も愛し合うだろう」という歌詞を引用した。あのときは、決して将来そうなることを見越していた訳ではなく、ふと頭に流れた曲に強く惹かれて取りあげただけだったのだが、今、自分は妻という愛する人を得て、歌詞のとおりの状態になっている。あのときは自分がそういうふうになるなんて、全然現実感がなかったのに、今は妻がいることを自然に受け止めている。その変化には時の流れを実感するし、あのときこの曲が浮かんだことが不思議で、予言染みたものを感じてしまう。自分はこの6年間で一回り大きくなることができたのだろう。でもまだまだ、未完成だ。次の5年、10年で、もっともっと色んな経験をして、色んな人と関わり合って、その中で失敗から多くを学んで、「やさしく、つよく、おもしろく」(by糸井重里)生きることができたら、例えいつ死んでも後悔しないで済むんじゃないかと思う。「明日死んでもいいように今日を精いっぱい生きる」と昔から口にしてきたが、まだ現実としてその域には達していない。その真の実践に近づくために、新年度も1日1日を大切にしながら、不断の向上心を持ち、行動し続けたいと思う。

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