若さの特権

若さの特権は、失敗しても許されること、看過され黙認されることである。これはもう絶対に間違いのない真理だ。若気の至りという言葉もあるように、若者の失敗はよほどの大事か、再三に渡り繰り返されるものでない限り、社会は大目に見てくれる。逆に言えば、失敗したとき、それが実害となって自分に跳ね返ってくるようになったら、それはもう自分が若くはなくなってしまったということの証左でもある。


残り3年を切った20代のうちに、自分が何をすべきかということを真剣に考えた末に導き出した答えが、「たくさんの失敗を経験すること」だった。4年前に見出だした真理を再認識したのだ。うまくやって成功するのは、30才を過ぎてからでも遅くはない。だが、思い切り無様な失敗をして、それをバネにするのは、おそらくもう今のうちしか出来ないのだ。成功事例はすぐに陳腐化するから一時の財産しかもたらさないが、失敗からは教訓という一生モノの財産を得られる。とにかく今やるべきは、失敗を恐れないという強い覚悟を持って、興味の有無に関わらずあらゆることに挑戦してみることなのだ。あらゆる選択の場面において最優先すべきことは、ただそれしかない。


年々生きることに対して弱気になり、全力で今日を生ききってもいないくせに、いつ死んでもいいなんて言葉を安易に吐くようになってきたが、そんななめ腐った根性は金輪際許してはならない。「失敗こそ最大の学び」「もっと失敗したい」というポジティブさを持つようにして、着実に自分の中に経験値を積み上げながら、これからの限りある日々を前進していきたい。

(25分、携帯)