寒の戻り

春になり、消防団の活動が再び始動した。今月は1〜7日まで春の防火週間で夜に見回りがあり、忙しいながら2回参加。今日は、午前に2時間の駆け付け放水訓練が、夜は19時半から23時まで公民館で飲み会があり、なかなかにハードな一日だった。放水訓練のほうは何度も経験しているし、決まったことをただ予定調和的にやっただけだったので(それでいいのかという問題はひとまず脇に置いて)、いつもどおりで大したことはなかった。問題は、夜の飲み会のほうだった。22時までには終わると思っていたのに、それより1時間も長引いてしまったからだ。翌日が平日なんだから、もうちょっと配慮してくれてもいいのに、と強く不満を感じたが、下っ端なので当然そんなことを言えるはずもない。面白くもない飲み会に、話すこともなく居続けるのは苦痛だ。極端な例えを使えば、「酒、タバコ、女」みたいな話題が結構多いので、聴いていて辟易するし、狭い部屋の中に12名いたうち半分以上がスモーカー(しかもかなりヘビーな)だったため、濃密な副流煙のせいで胸が少し苦しくなった。「金で女を買うことを一度覚えてしまった男は、女性を対等な存在として見ることは出来なくなる」という趣旨の過激なことを言った人が戦前の日本にいたらしい(ソースは数週間前の日曜日の日経新聞)が、自分も概ね同感だ。大学院で家庭科を専攻した母親の影響を小さいころに受けたからかもしれないが、自分は男女同権意識がかなり強いほうだと自覚している。結婚したら女性を家に閉じ込めて家事や育児を一方的に押し付けるような男性や、逆に男性の稼ぎによりかかり寿退社して専業主婦になることを志向する女性には、真っ向からノーを突きつけたくなる。そして、そうした歪んだ意識を温存し助長する配偶者控除のような前時代的な制度にも、断固反対である(配偶者控除を廃止すれば3800億円の財源が捻出できるというから、さっさと廃止すべきだ)。男女は対等だし、多くの家庭にとっては夫婦共働きがあるべき姿であるはずだ。だから、自分はその場で交わされていたやりとりが不愉快だった。とはいっても、ほかの団員の人たちに対して、自ら壁を作るようなことをしている訳でもない。自分の心の中の譲れない部分はきちんと守りながら、表面的には差し障りのないことを言ってはぐらかしたりして、その場を取り繕うようなことも多い。消防団活動そのものは地域にとって必要なものだし、ご近所の人たちと仲を損ねても何の利益にもならないので、そこら辺は実利を優先して大人の対応をしているつもりだ。そういうわけで、毒にも薬にもならない時間を何とかやりすごして、疲れて家に帰ったのだった。


新年度が始まった先週は、とにかく忙しかった。日中は新しい部署の仕事、定時後は前の部署の仕事の引き継ぎ兼手伝いというパターンで、連日21時、22時まで残業していた。この状況がしばらく続くことは明白だったので、せめて土日だけはしっかり休もうと思って、この週末は休日出勤もせず、やりたかったことをなるべく多くやれるように意識して動いた。


昨日は、ディーラーに車とノーマルタイヤを持って行って、車の点検のついでにタイヤ交換をしてもらった。これで車のことは当分の間ほったらかしておける。待っている間に新型アクセラの試乗もさせてもらったが、運転してみて外装のデザインと標準装備のナビ以外はなかなかいい車だと感じた。試乗したのはハイブリッドだったが、次の車を買う時は、アクセラの1500ccの4WDを買おうと心に決めた。今はFFだが、17.8km/lという驚異的な燃費を見せられては、断然4WDを選ぶほかない。


ほかにも、この2日間に、雑誌10冊の自炊や、内蔵HDDが故障した母のノートPCを修理に出すこと、映画のDVDの視聴など、やろうと思っていて出来ていなかったことをいくつか片付けられた。消防の用事が入っていた割には、割と色々出来たんじゃないかなと感じている。4日から高田公園の観桜会が始まったというのに、この週末はずっと気温が低くて、日中に雪が降ったりするほど大気が不安定だった。これがいわゆる寒の戻りというやつなのだろう。こんな調子では、花見客の出足も悪かったに違いない。次の週末には自分も花見に行こうと思っているので、ぜひ爽やかでぽかぽかした晴天が広がっていて欲しいものである。

(60分)