八重の桜

今年のNHK大河ドラマ「八重の桜」を毎週欠かさず見ている。主人公の新島八重を演じるのは綾瀬はるかである。大河ドラマを年間を通じて視聴するのは、2010年の「龍馬伝」以来のことで、通算3回目である(最初は07年の「風林火山」)。基本的に日曜の20時の本放送をリアルタイムで視聴しているが、同時にHDDレコーダーで毎週予約録画してもいるので、外出していて放送を見逃しても心配ない。会津と京を舞台にした前半の「幕末編」は第29回で終わり、現在は京都を舞台にした後半の「明治編」が第40回まで放送されたところである。前半は黒船来航以降の歴史の大きなうねりに会津藩が翻弄され、京都守護職の拝命から、会津戦争という悲劇に至るまでの物語が怒涛の勢いで展開された。松平容保吉田松陰勝海舟徳川慶喜西郷隆盛といった幕末史上の名だたる人物たちが続々と登場して、歴史上の大事件が次々と起こり、刀と鉄砲と大砲による迫力のある戦が繰り広げられたことから、毎回非常に面白く、次の話が楽しみで仕方なかった。ほかにも、会津藩主・松平容保を演じる綾野剛が、ほとんど毎回といっていいほど涙を流すシーンがあったのが見どころだったし、明治新政府を建てた薩長側から描かれることの多い幕末・戊辰戦争の歴史が、会津の視点から描かれていたところも新鮮で、戊辰戦争に至る経緯や奥羽越列藩同盟といった今までよく知らなかった歴史について知ることが出来たのもよかった。一方で、現在放送中の明治編は、八重が新島襄と出会って結婚し、共に同志社英学校(のちの同志社大学)を築いていくところにスポットが当てられているのだが、ストーリー展開にスピード感があまりなく、劇中の出来事も幕末に比べてこじんまりとしたものばかりになったことから、話のスケール的に大河ドラマという感じではなく、ちょっと地味で物足りなく感じてしまう。まあ、これはこれで安心して見ていられるので、楽しみであることには変わりない。残りの放送は、あと10回。果たして八重がどこまで活躍の場を広げるのか、何を成し遂げるのか、最後まで見守っていきたい。

(35分)