メンズデー

今日は大型連休の中日。月の上旬が最も忙しい自分には、有休を取るなんていう発想は微塵もなく、いつもどおり出勤した。ただ、定時を過ぎた後は、いつもより早く職場を後にした。その足で向かったのは、市内の映画館だ。火曜日は「メンズデー」で、通常1800円の料金が1000円になるので非常にお得なのである。加えて、たいてい座席はガラガラに空いている。席が自由に選べるので最高だ。見たい映画があるときは、火曜日に一人で見に行くことが多くなってきた。劇場に足を運んで映画を見るのは、3月にエヴァQを再視聴して以来のことで、今年に入ってから2回目である。


今回は、「ドラゴンボールZ 神と神」を鑑賞した。先月公開された、ドラゴンボールの17年ぶりの劇場作品である。Zを見て育った世代としては見に行かない訳にはいかなかった。見た感想としては、「娯楽作品として文句なしに面白い」という一言に尽きる。原作者の鳥山明が全面的に制作に関わっているので至極当然のことだが、登場キャラクターたちの台詞(の掛け合い)や態度、世界観に「ああ、まさにこれはドラゴンボールだな」と感じ、彼らが生き生きと動く見ていて楽しくて仕方なかった。全体としてとても明るく平和的なストーリーで、原作やこれまでの劇場作品のようなシリアスな場面はなかったのには、予想外だった半面、個人的にはとても好感を持った。どんな最強戦士も及ばない、絶対的な強さを持った破壊神という今回の敵(ライバル)の設定もよかったと思う。破壊神が本気を出したら、戦った登場キャラは一瞬で全員死んでしまうので、都合上破壊神は常にすごく手加減して戦うことになるし、あまりにも力の差がありすぎるので殺すのもバカバカしいということになる。そのため、強大な敵でありながら、戦闘シーンには殺伐、壮絶な雰囲気が漂うことなく、あくまで破壊神が悟空たちの「力試し」をしているという感じの闘いが繰り広げられることになり、その結果、終始安心して見ていることが出来た。戦闘シーンの描写もド派手で、とても楽しめた。ただ、一部のファンにとっては、ストーリーとして物足りないという意見もきっとあるだろう。しかし、誰かが死んでもシェンロンで生き返させればいいや、という原作の死に対する少し軽はずみな雰囲気は、現在では受け入れられない部分もあると思う。なので、こうした明るい映画になったのは多くの人から見てもらう上では必然の要請であったし、それによって子どもから大人まで楽しめる万人向けの映画として、とてもバランスのとれた優れた作品に仕上がっていると言っていいだろう。時間を忘れて見入ることが出来、とても満足だった。


今後は、月1回はメンズデーに映画を見に行くというのを習慣にしようかと思っている。次は何を見ようか。そう考えるのも、映画の楽しさの一部である。

(70分)