報酬

今日は3連休の真ん中の土曜日だった。暇だった半面、何だか慌ただしい1日でもあった。


日中は、今月17日に封切された映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」を見るため、友人と二人で長岡のTジョイまで行った。KINEZOというサービスを使ってネットで席を予約してあったことから、何としても上映開始の11時より前に行かなくてはならないと思い、高速道を使って急いだが、到着したのは10時過ぎで、思いのほか時間が余った。それで隣接するショッピングセンター内を少し散策して、ゲームコーナーを物色したり、飲食したりしていたところ、今度は逆に時間が足りなくなって、慌てて映画館に戻るという、何ともお粗末でお間抜けな行動を取ってしまい、自分の思慮の浅さを反省したのだった。それでも何とか定刻前に座席にたどり着いたので、ほっとしつつ周りの観客を少し観察してみると、思いのほか年齢層が若いことに気がついた。中高生くらいの年代の男子が多かったのである。てっきり、1990年代に原作(アニメ)を見ていた世代、20代〜30代前半くらいが中心かと思っていたので、これは予想外だった。昔からのファンを引き留めつつ、10代の新しいファンも獲得して、3年に一度の新作公開をこれだけ大々的に盛り上げているというのは、うまい戦略だなと感心した。肝心のエヴァQについては、ネタバレになるので、詳述は避けるが、「『破』ほどの分かりやすさ、胸が震えるほどの感動的な面白さはではないが、最終作に向けて期待は高まった」というのが感想だ。4部作の3作目だから、どうしてもクライマックスに向けた伏線仕込み、条件整備的な位置づけにならざるを得ないのだろう。例えて言えば、「スターウォーズエピソード2」みたいな感じで。冒頭から30分間のグリグリと動くCGの映像美はさすがの出来だったものの、エヴァがド派手に戦うシーンは少なく、腐女子が狂喜しそうなシンジとカヲル君の二人の絡みのシーンが長くて、他のキャラたちがあまり活躍していなかったので、物足りない印象は否めなかった。最終作となる次回作、「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」が「破」を凌駕する傑作となり、新劇場版が後味のよいきれいさっぱりな終わり方をして、楽譜みたいに最初に戻るとかそういう陳腐なことはせずに、比類なき作品として「完結」してくれることを期待したいところだ。あとほかに思ったのは、本編前に流れた「巨神兵東京に現わる」という短編が昔懐かしい感じの特撮映画でちょっとシビれたということと、「Q」を見てヤマハのピアノを買った人が全国に何人いるかなと気になったということ。何はともあれ、エヴァの新作を見るという、ここ数カ月楽しみにしていたことが達成されたのはよかった。その後は、昼飯を食べて、アオーレ長岡という今年4月にオープンした新しい施設をちょっとだけ散策してから帰った。



エヴァ仕様のKINEZO発券機。

↑壁面や天井に木材を波型に配置したデザインがユニークなアオーレ長岡


帰宅したのは18時過ぎで、服を着替えた後、すぐにまた出掛けた。今夜は、消防団の忘年会だった。会場の居酒屋までは1.8kmほど離れていたが、家族に送り迎えを頼りたくなかったので徒歩で向かった。時間に遅れるかと思って、途中で所々走ったら10分ほどで着き、何とか間に合った。忘年会の参加者は10名。うち6名が喫煙者で、会場の居酒屋の小部屋の中は煙で白くなり、さながらガス室のような状態だった。一度部屋を出たら再び戻ることはきついだろうと思って、約3時間いた間にトイレに立つことはなかった。こうなることは予想通りだったので、服はすぐ洗えるようなものを着て行ったし、帰宅後は脱いだ服をそのまま洗濯機に放り込んだ。自分はタバコのにおいが大嫌いなので、飲み会に行く時には基本的に(洗濯すると痛むような)上等な服は着て行かないようにしている。上着等でやむを得ず着て行く場合は、付いた直後に脱ぎ、ビニール袋に入れ密閉して被害を防ぐなんて策を取ったこともある。喫煙者が親しい間柄だったら、ガンガンとタバコ批判をしているところだったが、あいにく消防団の人たちとはそんなに仲良くないので、押し黙ってやり過ごすことにした。自分は年齢も経験年数も一番下っ端なので、あんまり話に加わらなくても大丈夫だった。また、日ごろ消防小屋でしているのと同じような取りとめもない雑談だったので、どんな話題だったかはあまり印象にも残っていない。今年は色々と捜索活動が多くて、本当にご苦労さまでしたという部長の言葉を覚えているくらいのものだ。ただ一つ重要だったのは、今年1年間(自分は4月に加入したので9カ月間)の報酬として3万7000円ほどが支給されたことだ。20万円未満の雑所得なので確定申告して所得税が課税されるほどの額ではないとはいえ、臨時収入としては小さくない。ちょっと嬉しかったが、同時にお金をもらう以上、消防団員として責任と自覚を持ってもっとしっかり活動しなくてはと気持ちを身がが引き締まる思いもした。例年、このお金をもらった直後にパチンコ等で使い果たしてしまう人が多いらしいが、自分は臨時収入は銀行預金に入れることにしているので、早速翌日に預け入れ、とりあえずは散財の難を逃れた。21時過ぎにお開きになり、帰りも徒歩だったが、家と反対方向の本屋に寄り道して「ヴィンランド・サガ12巻」を購入したので、結局3km近くも歩くことになってしまった。普段歩くことが少ないので、ちょうどいい運動になった。


まだ自室の暖房は未稼働とはいえ、気温もずい分下がってきた。湯沢のかぐらスキー場は、23日から早くも営業を開始したそうだ。今シーズン初滑りの予定日まであと2週間。これからしばらく、週末もせっせと山に出かける忙しい日々が続くことになるだろう。

(120分)