駄目

自分は全くもって、同級会的なものについていけない。参加しても楽しめない。今夜もダメだった。中学の同級生の男5人と飲み屋に集まったが、まるで話題にもノリにもついていけなかった。終始続いた強烈な下ネタは、自分の好まざる部類の話だった。中学時代のように、普段はマジメでありながら、時折捻りの効いたギャグやリアクションをかまして受けを取るような高度な芸当は、もはや出来なかったし、自分を捨て、周りに合わせてバカをするような振る舞いに徹することも出来なかった。自分の頭の反射神経が落ちたのと、酒をそんなに飲めなかったのが原因だ。あんまり楽しいと思えないまま、翌日の用事の関係から3時間ちょっとで一番に会場を後にした。


大体、自分自身、過去の記憶がほとんど消えかけていた。一度だけ中学時代の話題が出たが、2年生の時何組だったか、同級生が誰だったか、全然覚えていなかった。どんな事件があった、どんなことで盛り上がったかなど、記憶になかった。それだけ、もはや過去のことが自分にとって遠い存在になっているのだ。この関係性を今後も維持していくのが果たして妥当なのだろうか。地域を守る消防団に属していながら、地元の人間関係には距離を置きたい。そんな自分が、矛盾しているように思えるが、それでいて偽りのない感情でもあった。

(20分)