決死

今でもたまに思うことがある。福島第1原発メルトダウンや水素爆発を起こす前に、誰かが放射線量が致死的に強いところにある弁か何かを決死の覚悟で操作して、未然に建屋崩壊の被害を防ぐことが出来ていたら歴史はどう変わっていただろうか。自分がもしそのとき現場にいたら、自分の命を投げうって死の領域に飛び込むことが出来ただろうか、と。自分のやっていることのあまりのちっぽけさに悲観的な気分になるとき、命と引き換えに「誰も知らない英雄」になれたら自分の人生にも少しは価値があったと言えるのになぁ、なんて皮肉っぽく考えてしまう。本当はそんな覚悟なんてありはしないのに。

(20分)