戦い

エンド・オブ・ザ・ワールド 完全版 [DVD]

エンド・オブ・ザ・ワールド 完全版 [DVD]

原発のニュースばかりが流れているので、2年半くらい前に見たこの映画のことをつい思い出してしまう。3時間半にも及ぶ恐ろしく長尺の映画だが、世界が終局を迎える終盤はとても悲しく、重いメッセージを突き付けていた。関東地方の人が白血病やがんを急に発症するほどの致命的な被害につながることは現段階ではほとんど考えられないが、原発周辺にいる自衛隊員、消防隊員、警察官、それに東電の作業員は、強い放射線に曝されながら、文字通り自分の命をすり減らして原子炉の冷却作業に取り組んでいるわけで、もはや放射線被害を免れない彼らのことを考えると、本当に胸が苦しくなる。いくら命令であれ、自分の死を覚悟していなければ、「死地」に赴くことなどできようはずがない。自分なら、たとえ全国民の未来を守るためだ、この作戦さえ成功すれば全てが好転すると言われても、ためらってしまうに違いない。もしかしたら任務を放棄して脱走するかもしれない。そうした安全など絶対にあり得ない環境に、無事生還することが当初から断たれた環境に身を投じる・・・。これはある意味、自衛隊にとっての創設以来初めての「有事」であり、隊員たちが「軍人」として臨まなければならない任務なのではないだろうか。自衛隊の真価が問われる場面がいよいよ近づきつつある。


それに比べて自分はといえば、被災者の支援も、日本の未来を守ることもできず、本当に情けない限りだ。せめて東北電力計画停電が予定通り実施されて、その分電気を被災地に送ることが出来れば、大変な思いをしている被災者のために少しは貢献できるのだろうが、残念ながら今日の停電は中止になってしまった・・・。

(35分)