仕事紹介

※以下は、大学時代に自分が代表を務めていた公務員試験勉強サークルのメーリングリストへ先日投稿した文章に、一部加筆訂正およびぼかしを加えたものである。



みなさんどうもお久しぶりです。
○○大学で事務職員をしております、ryuck99です。
大変長らく投稿せず、失礼しました。


さて勤め始めて半年ほどたち、仕事にもずい分慣れてきたので、この半年間のことを振り返りつつ、あれこれ書いてみたいと思います。
国立大学職員というのは、かなりマイナーな職業かと思いますので、知られざるその内実について正しく理解していただくためにも、以下やむを得ず文章が長く、非常に長くなってしまいますが、どうか最後まで読んでいただければ幸いです。


①国立大学職員について
就職する以前から分かっていたことではあるのですが、まずこの職業は世間一般の人からの知名度が低いようです。それゆえ、自分の職業を聞かれた際は説明するのに毎回難儀しています。先日の国勢調査でも、職業の欄の記入方法がよくわかりませんでした。「何それ?公務員?」とよく聞かれますが、平成16年度から国立大学は法人化され職員は非公務員化されたので、法律上は公務員ではないです。ですが、文部科学省共済組合に加入していたり、収入の半分以上が国の運営費交付金=税金でまかなわれていたりするので、民間という訳でもありません。やや複雑な境遇ではありますが、いずれにせよ大学というのは広く社会に貢献する義務を負っているものだと思うので、国や地域の利益のために責任を負っている仕事なのだという自覚をもつように心がけています。


②自分の仕事について
前置きが長くなりましたが、ここからは自分の仕事について紹介します。
私は今、学務部△□室という部署に所属しています。大学の事務組織には、大きく分けて学務部と総務部があり、前者は教育研究活動に直接関連する業務を、後者は大学組織の運営に関わる業務を扱っています。一般に、学生のみなさんがイメージする職員は、前者のほうでしょう。しかし後者の組織にも、財務、総務、施設管理、広報、企画、入試といった多くの部署があり、それぞれ欠かせない役割を果たしています。私は学務部の一角に属しているのですが、学生との関わりはほとんどありません。△□室では主に、教員の研究支援と、大学の地域貢献に関する業務を担当しているからです。その中で自分は地域貢献の担当なのですが、具体的には特に「公開講座」と「出前講座」という仕事をメインで担当しています。地域貢献担当は自分と上司の二人しかいないので、新米の自分にも主担当の役割が与えられているのです。公開講座は、一般の方に大学に来てもらい、大学教員から授業や体験学習を受ける事業で、出前講座は逆に大学教員に県内の学校へ出向いて授業をしてもらう事業です。これまでの半年間は昨年度計画したものに則って進めてきたので、いわゆるルーチンな仕事が中心でしたが、今月から早くも来年度の準備に取りかかり始めたので、これからは各講座の企画の仕事にも携わることになります。不安もありますが、半年間で蓄積した「こうすればもっとよくなるんじゃないか」といったアイデアを使える場面があるかもしれないので、結構わくわくもしています。
他の部署にも共通のことですが、基本的に仕事はもっぱらデスクワークで、学外に出ることはほとんどありません。運動不足と相まって、肩と腰が痛くなります。出張にもまだ行ったことはないです。ただ、地域貢献は近年「教育」と「研究」に次ぐ大学の第3の柱として位置づけられている重要な役割で、自分の仕事の責任の大きさを考えると身が引き締まる思いがします。外部の方とのやりとりも少なくないですが、その分内向きにならず適度に緊張感を持って仕事が出来てもいて、やりがいがあって面白いと感じています。


③研修について
勤務初日からいきなり部署に配属になり、仕事が始まりました。研修なしにいきなり実戦投入です。やることもあまり具体的には指示されず、放置状態だったので最初はかなり戸惑いました。何をどうやったらいいか分からず、頻繁に人に質問ばかりしていたように思います。でも、過去のファイルを読んだり、他の人のやり方を見たり、恥や失敗を重ねたりしているうちに少しずつ色んなことが分かってきて、次第に自分でやることを決めながらこなしていけるようになっていきました。法律に則って行う仕事というわけではないですし、特別専門的な知識も必要とされるわけではないので、今考えてみるとこうした一から実地で覚えていく手法も結構合理的だったのかなと思います。とはいえ、研修も全くなかったわけではありません。6月下旬には、3日間に渡る新任研修が行われました。これは県内の国立大学法人等の新任職員が集まって、合同で行われたもので、30人超が集まりました。うちの大学は自分を含め3人だけで、過半数は新大の職員だったので、うちの大学が会場なのに何だか肩身が狭かったです。特定の人を対象に、他にも中堅研修や、財務研修といった研修が行われていますが、やはり県内合同で行われることが多いようです。他大学・機関に出向する人事交流もありますが、法人化以降は下火になっているそうなので、大学間での積極的な連携・協力が必要とされている現在では、こういう場で他大学の職員と交流することは以前にも増して重要になっているようです。


④最後に
少子化や社会環境の変化で、どの大学も生き残りをかけた競争にさらされています。その中で、各大学は他の大学にはない特色、自らのもつ強みをアピールして差別化を図り、存在意義を示していく必要に迫られています。国立大学とて例外ではありません。それゆえ、今大学職員に求められているのは、大学の価値を高めていくために、知的好奇心を持って新たなことにチャレンジしていこうという情熱、そして不断の向上心だと思います。自分次第で色々と面白いことが出来る可能性が広がっていますので、この仕事に興味を持っていただき、進路の一つに考えていただければ幸いです。


以上、駄文を大変長々と書いてしまい、失礼しました。
書きたいことは大体書けてすっきりしたので、今後同様の長文は書かないかと思います。
というか、疲れたのでもうこんなのは書きません。
ただ、ご質問があればどんな些細なことでも何でも答えますので、ぜひぜひ疑問質問をお寄せいただきたいと思います。
では、また。

(260分、10/11、10/28)