能登

今、急行能登に乗って北陸本線を走っている。3時11分起床で、53分に家を出た。そして直江津駅で乗車したのが4時20分で、21分に出発。やはりというべきか、とてつもなくギリギリだった。行く途中であと一回でも信号に引っかかっていたら間に合わなかっただろう。そんな慌ただしさの中で、今回の四国一周旅行は始まりを迎えたのだった。


4時間ちょっとしか寝ていないから、まだ眠い。しかし富山ですぐサンダーバードに乗り換えなければならないから、今は寝てはいられない。富山の次は京都で乗り換えで時間があるから、その間は寝てもよいだろう。最悪乗り過ごして大阪まで行ってしまっても何とかなる。京都からは快速電車で神戸市の三ノ宮に行き、電車での移動はそこで終わりとなる。あとはレンタカーを借りて、午後からやってくる予定のH氏を待つことになる。それまでの間は、六甲山に登ってみるなどして、適当に過ごすつもりだ。


H氏と合流したら、いよいよ明石海峡大橋を渡り、四国へ行くことになる。今日は特に行く場所を決めてもいないので、ただただドライブに専念するつもりだ。今夜の宿は、高知との県境に近い、徳島の宍喰温泉に取ってある。去年の北海道旅行ではネカフェに寝泊まりしたものだが、今年は旅の快適性を重視したのと、ケチケチする必要ないことから、全泊宿を取ることにした。その分、全体の所要見込み額はやや高くなっている。大体、給料の半月分といったところである。が、大して気にはしていない。お金は使ってなんぼのものだ。これはそれだけの価値のある支出だと確信している。


まだ辺りは真っ暗闇で、朝の気配はない。自分の眠気もまだ覚めない。だが、今自分は旅しているという高揚感が、ふつふつと沸き起こりつつあり、それは同時に心地よい充足感を伴っている。この旅がよいものになるよう、目をかっぴらいていろんなものを見て、聴いて、撮って、食べてきたいと思う。

(40分)