予算

このブログは自分の趣味なので、基本的にお気楽なことばかり書いているが、看過出来ない事象については、重たいことも書かざるを得ない。


阪大と九大が消滅する規模、国立大学の運営費交付金が大幅削減される可能性(GIGAZINE:2010年07月08日)
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20100708_university/


上の記事にあるように、大学の運営費交付金が、一度に930億円も減らされたら、大変なことだ。これはせいぜい40億円程度の予算規模であるうちの大学なんて、軽く消されてしまうほどの巨大な額だし、法人化後に毎年1%ずつ減らされる予算の中で、各大学が効率化に向けて経営努力を重ね、何とか成果を出そうとしてきたのをないがしろにするような行為だ。会社員に例えてみれば、500万円の年収が毎年5万円ずつ減らされていく中で、家計をやりくりしつつ何とかオリジナルの企画を出せるようにと仕事に努力してきたのに、努力が実を結んでそろそろ製品化できそうだというところで、急に「今度から年間の給料をさらに40万円減らします」と会社から宣告されるようなものだ。それでは社員の尻をたたいて奮起させるどころか、逆にやる気をなくさせ「どうせ会社は俺のことなんか認めちゃくれないんだ」と投げやりな態度にさせてしまうに決まっている。大学は授業料や病院収入でも稼いでいるが、収入の半分以上は国からの交付金、すなわち税金だ。うちの大学は病院がないから、収入の実に4分の3が交付金である。だから税金をもらっていることの重さ、果たすべき責任の大きさというのは常に意識しなければいけないことだ。しかし、必要な額の予算が配分されなければ、大学で十分な教育活動、研究活動が行えず、社会に価値を還元するという目的を果たすことすら出来なくなってしまう。それでは何のために税金が投入されたんだか分からなくなってしまう。やっていることがちぐはぐだ。国立大学職員は公務員ではないため、雇用保険に入っている。今後もし小規模な大学が統廃合されて消されていくようなことになれば、人員調整で解雇されることもあるかもしれない。そうなると、何の技能もない状態では、年をとっていればいるほど、再就職は難しくなる。大学から放り出されても生きていけるように、無能呼ばわりされないように、何か勉強しておかないと・・・。杞憂かもしれないが、ついそんなことを考えてしまったのだった。

(40分)