テスト前の

人はなぜ、テストを目前にすると、いつもなら気にしない部屋の散らかりに多大な関心を寄せ、勉強そっちのけで熱心にその整理と掃除に励んでしまうのだろうか。現代の進歩した科学技術をもってしても、人をこの謎めいた行動から解き放ち、そのどこからやってきたとも知れない異常なほどの情熱を本来なすべき行動、すなわちテスト勉強へと向かわせることは出来ない。これはとても悲しむべきことであり、人類の英知の敗北と言っても過言ではない。


なんて大層なことを言ってみたけど、要するに今日はテスト前ですべき勉強が山積しているのに、全くそれに着手せず部屋を片付ける行為に注力してしまったというだけのことだ。去年の2月2日の記録を見ると今日と同じように行動していたことが分かる。テスト勉強をしたくないという気持ちは、部屋の片付けをする面倒さを上回るほどで、勉強しない言い訳のために無意識下に体が動いてしまうということなんだろうか。ドイツ語は取れそうだが、逆に普通なら何の苦もなく取れるはずの教養の単位が取れるか危うい状況になっている。こんなことなら、レポートが課されるものなんか取らずに、出席か簡単なテストだけで取れる講義を取ればよかったなとか、前期につまらないからって講義の受講を途中で放棄するべきじゃなかったななんて思ってしまうが、ときすでに遅し。今はただ勉強するしかない。といっても、資料も少なく何をどうしていいかわからない科目があるのも事実なので、やらなきゃという気持ちと裏腹に行動に移せないもどかしさで、イライラした感情が募るばかりだ。簡単かと思って今期は教養ばかり取ってしまったが、専門のほうが今までに吸収した知識の応用が利くし、勝手が分かっている分、面倒や心配も少なかったかもしれない。不覚だった。


今日はもう寝たいところだが、そんなことをしては明日が地獄になるので、せめて一科目だけは勉強を完了させたいと思う。幸い参考文献になりそうな本が蔵書に一冊あったので、完成度とか変なことを気にせず、書きたいことを書きなぐってそこそこのレベルに仕上げて気持ちを楽にしたいと思う。果たしてそれが出来るのかは、ちょっとならず心配ではあるが。今までも同じような状況で追い詰められて、何度もかいくぐってきた自分を信じるしかないか。過信しない程度にね。

(25分)