拍車

「拍車をかける」という言葉があるが、その「拍車」の意味を今日初めて知った。乗馬の際に、騎手から馬への推進の合図の強化のために使われる道具で、ブーツのかかとなどにつけられるものなのだそうだ。それを知って、今まで抱えていた疑問の一つが解消された。スティール・ボール・ランを読んでいて、ジャイロがブーツのかかとにつけている歯車状の装飾品が何なのか気になっていたのだが、それが「拍車」だったのだ。何だそうだったのか、とすっきりした気分になった。


日本語を20年以上使っていても、まだまだ知らないこと、よく分からないことだらけだ。言葉というのは本当に奥が深いし、面白いものだと思う。例えればそれは、変幻自在の不死の生物みたいなものだ。姿かたちを変えていきつつも、一つの生命体としての歴史をその身に積み重ね、誰かがそれを操る限り、永遠に連続性を保ち続ける。まるでモンスターだ。いくら母国語だからって、こんなもの、マスターすることは死ぬまで出来そうにないな。

(10分)