読書:そうだ、葉っぱを売ろう!



著者:横石知二
出版社:ソフトバンククリエイティブ
発売日:2007/8/23
購入日:2009/2/25
読了日:2009/11/1



この本を何をきっかけで知ったのかはよく覚えていないが、この本はとにかく面白かった。


著者が過疎と高齢化で元気を失った徳島県上勝町に産業を興し、町を再生して全国にその名を知られる存在にまで高めたサクセスストーリーなのだが、その産業というのがなんと「葉っぱを売ること」なのである。


Amazonなどに詳細や多くのレビューが書かれているから、ここでは詳しいことは「説明」しないが、著者の豊かな発想力と確かな洞察力と、人を見る暖かな視線に溢れるこの本から得られる、知識やノウハウ、示唆や、そして感動は例えば以下のようなものがある。


マーケティング、経営論
○人材の育成と活用、やる気の鼓舞の方法
地域活性化
○市場開拓、ブランド化
○高齢者の経済的自立、若返り
○成功して自信をつけるという自己啓発
○農業で儲ける方法
○出会い、めぐり合わせ、絆の大切さ
○発想転換術
環境政策
○人に優しい町づくり
○仕事論
○ギャグ


これだけ書くと一体何の本なのか分からなくなるかもしれないが、とにかく面白い本なので、農業に興味があるとかないとか関係なく多くの人に読んで欲しいと思う。この中で紹介されている、著者が実践し成功させてきた事例は、全国のさまざまな場面で応用しうるものだと思うし、特に行政に携わる者は必見であろう。


そして読み終えたころにはすっかり著者のファンになっていること間違いない。彼のキャラクターがあってこそ、上勝町の成功はもたらされたともいえるのだ。


自分は小説より実用・教養的な本をよく読むが、えり好みせず未知の分野に食指を伸ばすことは自分の視野を広げるためにとても大切なことだなと、今回この本に出会って強く思い知らされたのだった。

(25分)