論外

自分は社会人になれないな、と思った。


ブログの更新をしていて電車に乗り遅れるという大失態を演じてしまったからだ。


目の前で走り出した電車を前に、残ったのは無駄にかいた汗と、倒したまま放置してしまった誰かの自転車に対する罪悪感だった。


本当にどうしようもなさすぎて、自分の間抜けさにぐうの音も出ないような話である。


何でこんなことになったのか。


そもそもブログを書いている場合ではなかった。


また書くにしても、事前に完璧に荷物をまとめておくか、出発時刻の5分前には書くのを止めるべきだった。


時間がないことを分かっていたのにやめなかったのは、様々な阻害要因に思慮が及ばなかったためだ。


それは鍵がすぐに見つからないことや、信号に引っかかることや、踏み切りに足止めされて反対側のホームに行けないことや、荷物が自転車のカゴに入らないことだったりする。


そのどれか一つに引っかかるだけで間に合わなくなる時間まで記事の更新にしがみついたことは、時間に対する認識が甘すぎたと言わざるを得ない。


約束の時間を守ること、そのために常に10分前行動をすることは、社会人をする上での大前提である。


自分にはその素養が根本的に欠けている。


もっと先のことを考えて行動できるようにならなければ。今回の一件で、あまりにも当たり前すぎることを強く思い知らされたのだった。

(30分)