読書:桜井政博のゲームについて思うことX


著者:桜井政博
出版社: エンターブレイン
発売日: 2009/5/15




著者は「星のカービー」や「大乱闘スマッシュブラザーズ」の生みの親である、桜井政博さん。


ファミ通で連載されているコラムを書籍化したもので、誌面で読んで気になっていたのが理由で、本屋で見かけた際に購入。


例の如く、5月に買って以来読みかけのまま本棚に埋もれつつあったのを、一昨日引っ張り出して読みきったのだった。


タイトルの通り、内容としてはゲームにまつわる話が中心で、著者がゲームをプレイして感じたこととか、ディレクターとしてゲーム製作に携わる中で何を考えているかといったことが、著者の視点で述べられている。


この本を読めば、ゲーム開発の大変さや、一つのゲームの中にどれだけ多くの工夫や発想が詰め込まれているかについて貴重な話を得ることが出来、ユーザーからは見えにくい(意識されることすらあまりない)ゲーム業界の実状がまざまざと見えてくる。


またゲームと絡めつつ、生きて働いていく上で普遍的なテーマにも踏み込んでいて、考えさせられると同時に桜井さんの見識の深さと人間味あふれるキャラクターに魅せられ、ファンになってしまうこと必至だ。文章を面白く書くのも、結構上手だと思うし、講演で外国人相手に笑いを取れるエンターテイナーでもある、氏の才能の多彩さには嫉妬さえ覚える。


ちなみに現在39歳と一線で活躍するクリエーターとしては若手で、正統派の(?)イケメン。今調べて初めて知ったが、昨年結婚したそうだ。


ゲームをするものならもちろん、そうならずともゲームに興味がわいてくるだろうお話が満載の、必読の一冊だ。

(30分)