コードレス

以前、自宅のリビングに置かれていた固定電話回線の電話機には、子機が2つ付いていた。そのうち1台は玄関に、もう1台は2階に置いてあった。それらは10年以上前に買った古い機種ではあったが、必要十分な機能を備えており、基本的に不自由なく使われていた。唯一つ、「親機の受話器にコードが付いている」という点への不満を除いて・・・。


親機の受話器がコードレスだったとしたら・・・。電話を受けたあと、受話器を持ったまま家の中を移動し、家族のに電話を取り次ぐことが出来たり、親機の前で立ち続けることなく、ソファに座って話をすることが出来たりするだろう。そうすれば、便利だろうな。そういう電話機が、きっとあるはずだ。そう思って、衝動的、電撃的に家電量販店に行って、下調べなしでその場で選んだのが、この電話機だった。8月31日に購入し、翌日から使い始めた。



FAX付きで、子機も1台付いている。FAXは今まで使っていなかったし、今後も使う予定がないが、FAX有り多機能の機種と、機能がシンプルな電話オンリーの機種とが、2000円くらいしか違わなかったので、機能の多さを取ってFAX付きを選んだ。特筆すべき点は、全ての電話の音声をSDカードに自動的に録音する機能である。親機コードレスが便利だったのは言うまでもないが、この録音機能も大きな効用をもたらした。家族が妙な勧誘電話に引っかかっていないかや、日中どのような相手とどんなやりとりを交わしているかが分かるようになったのである。購入して以来、高齢の祖父母を詐欺等の被害から守るためのチェック手段として、録音した音声を夜に聞くのが習慣になった。一度聞いてチェックしたものは、順次消去するので、SDカードが一杯になる心配は少ない。音声電話の通話時間に占める割合としては、今や携帯電話が固定電話を上回ったと言われており、家庭における固定電話の出番は減ってきつつあるものの、依然として固定電話は「家のもう一つの玄関」としての大きな役割がある。新しい電話機を使いつつ、これからの家の電話の在り方について今一度考えてみたいと思う。

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