FB 2007/09:自分を廃人にしたものたち

2007/9/28(金)


高校入学以来、自分は自分に自信を失い、「ダメ人間道」を歩むようになった。


高校時代の「ダメ人間化」のキーワードとしては、「数学・化学の放棄」、「ネット・パソコン依存」、「帰宅部」、「塾のサボタージュ」、「一年次のクラスでの孤立」といったものが挙げられる。


テスト前後を問わず勉強しない、予習や宿題もほとんどやらない、授業時間は睡魔との戦いに費やす(降伏することも多々)、家庭科ではトートバッグを作れといわれてショルダーバッグを作る・・・自分は、そういう不真面目で、およそ進学校には相応しくない生徒だった。入りたくて入ったのではなく、親に促されて仕方なく入った高校だったし、勉強勉強と言うばかりの教師たちの多くに反感を感じていたので、高校自体大嫌いだった。でも何故か3年間皆勤だった。


勉強しなかったので、赤点(34点以下)を連発。特に数学と化学は赤点を取らないほうが珍しいくらい酷かった。化学なんて一度も赤点より高い点数を取らなかったような気さえする。そのつけが回ってきて二年次には留年しかけ、学年末には進級をかけて数学Bと化学の追試を受けることとなってしまったりもしたが、3週間ほど猛勉強した結果、なんとか進級することが出来た。しかし三年次も勉強しないのは相変わらずで、受験が迫ってきて申し訳程度に勉強をするようになったものの、日がたつにつれ絶望感を深めるばかりであった。今こうして大学にいるのは、センター試験がリニューアルする年度にたまたま当たって、問題が簡単だったからに過ぎない。勉強そのものも疎かだったが、MARCHというのが何を指すのかということもよく知らなかったほど大学進学自体にあまり真剣さを持っていなかった。


で、その流れでやっと本題に入るのだが、進路を漠然としか考えていなかった自分は、何となく大学に入ったものの、大学で具体的に何をしたいとか、そういう視点が全くなかった。大学がどういうところなのかもよく知らなかったし、勉強だって全然やる気はなかった。高校時代ですらやらなかったのだから、当然といえば当然のことだ。自分は周囲のものに対して興味も持たなかったが、代わりに内向きな趣味に走った。パソコンとゲームである。


一年次の前期は、PCのオンラインFPSにハマってしまった。


それは高校のときからプレイしていた「Xoperations」という国産フリーソフトだった。バージョンアップを重ね、ちょうどユーザーもマップを作れるようになって、色んな非公式のマップが公開されていたため、自分はかつてないほどにプレイに没頭した。マップがいじれるとはいえ、所詮は単純な撃ち合いゲームに過ぎないのだが、オンラインの魔力というのは恐ろしいもので、自分は昼夜を問わず何度も何度も見知らぬ人たちと戦闘を繰り広げた。このままではいけないとアンインストールしては、またしばらくするとインストールしなおすということを繰り返しもした。7月末にiフィルター(フィルタリングソフト)を使ってソフトの配布ページにアクセスできないようにする強制措置にでることでようやく中毒に終止符を打つことができたが、結局生活に乱れをきたしたことで授業のテストに欠席してしまうなどの影響を及ぼしてしまい、3単位しか取得できないという結果をもたらしたのだった。


後期はそれを踏まえて、留年しないためにも規則正しい真面目な生活を送るべきだった。だが、引きこもりと対人コミュニケーションへの恐怖心が悪化してしまい、パソコンへの依存は克服するどころではなかった。それに拍車をかけるように、10月末、自分は再びオンラインゲームの罠にかかってしまった。


今度は、PS2の「メタルギアオンライン」だった。


メタルギアソリッド3サブシスタンス」に付属していたものを、何となくプレイしたのがきっかけで、自分は以後数日間で40時間もプレイするほどハマった。このときのハマりようも凄まじいものがあったが、幸いにもこれは後日すっぱり辞めることに成功した。やはり前期の二の舞は避けたいという思いが強かったからだろう。その年の12月末で終了するサービスだったからどのみち強制的に辞めることにはなっていたに違いないが、自分で辞められたのは偉かったと思う。しかし単位のほうはというと、結局9単位しか取れず、前期から大して進歩していなかったのだった。


そうした出来事が、現在の自分という、一人の廃人を形成したのである。


(原典:初代ブログ)


*フラッシュバック 第6回*

高校〜大学1年次までの自分の「黒歴史」について回想した記事である。「親に促されて仕方なく入った高校」というくだりについて補足したい。確かに、工業高校に行きたかったが普通科に行くよう諭されたという経緯があるが、どんな理由があれ願書を書いたのは結局自分自身だし、その高校に行かなかったら多くの友人とは会えなかったのだから、今現在はそれでよかったと思っている。結果論ではあるが、過去を否定する気持ちはもはやない。ただ、母校の高校のことは今でも大嫌いである。それはさておき、当時に比べると、自分もかなり「社会復帰」した感がある(でないと仕事なんか出来ない)が、初対面の人とうまく接することが出来ないなど、人間的に未熟な部分はまだまだ多い。また最近はほとんどやらなくなったが、オンラインFPSの罠から完全に抜けられたわけでもない。自分は、友人の助けがあったり、実家が県内で帰りやすかったりしたおかげで、引きこもり状態から脱して無事大学を卒業することが出来たわけだが、弟はそうしたものがなかったから、大学に行けなくなってしまったのだろう。もう卒業はおろか、進級さえ出来ない状態になっているらしく、今は家に帰ってきている。今年度中には退学する運びらしい。そこそこ頭は切れるのだが、いかんせん社交性や自己解決力に乏しいのが、一人暮らしで大学生活を送る上では致命的だった。「これからどうするんだ」と家族全員が頭を抱えている有り様だが、当の本人は自室にこもってゲームやパソコンをしているばかりで、何を考えているのかは伺えない。自分は今、独行きのことで精いっぱいなので、弟のことは放置状態だが、兄という立場上、また「学生支援」に責任を負う大学職員という職業上、いずれきちんと接する機会が必要だと思っている。でも、今の自分では、あいつに「危機感を煽る」言葉以外はかけられないだろうし、そんなことを言っても、きっと聞く耳を持たないだろう。弟の自立を促すためには、自分を変えなければ、そのために努力しなければ・・・読み直してみて、そうひしひしと感じる。過去の自分の経験に学ぶべきものは、反面教師として参考にすべきものは、まだまだ多いはずである。

(50分)