終息

3日間に渡った消防団の行方不明者捜索活動(自分の参加は2日間)は、用水路での遺体の発見という残念な形で幕を閉じた。今朝は7時半から活動を開始し、1時間後に本部に戻って来た時には、「人の足らしきものを発見」との連絡を受けて待機の指示が下り、2時間後に「本人の遺体とみてほぼ間違いない」ということを伝えられて、団員は解散となった。自宅に帰ったのは11時前。丸1日の活動になると覚悟していたから、思ったより早く帰れたことに少しほっとしたが、疲れから体も頭も動かす気になれず、午後の半日は何もできずに終わってしまうこととなった。夜はまた夜警があったが、自分は何も話す気になれず黙り込んでいた。


今回のことを経てしみじみ思ったのは、主に2点。一つは、消防団員である以上は、いつ有事が起こりるとも限らないという覚悟を持っていなければならないということ。いざというときには、どんな現実に対しても目をそらさずに向き合わなければならないが、自分が危険に巻き込まれる二次災害だけは絶対に防がなければならない。自分の身の安全を守れて初めて、人を助ける資格があると思うので、自分を犠牲にするようなマネは決してしないようにするつもりだ。もう一つは、自分や家族もいつ事故や事件の被害者になるとも限らないということ。突然の失踪や不条理な死は、家族にも周囲の人間にもあまりに影響が大きすぎる。自分や家族が探される側になることだけは絶対にないようにしなければならないと思った。


今回、行方不明者が亡くなってしまったのは本当に残念だが、一方で遺体が永遠に見つからなければ、残された家族は「もしかしたら生きているのではないか」と思い続けて、心に区切りをつけられないままいつまでも苦しむことになる。大震災の津波で家族を失った人たちがまさにそうだった。それを思えば、遺体が比較的早期に見つかったことは、家族にとってせめてもの救いであったと言ってもいいかもしれない。辛いことだが、それが現実だ。自分にとっても、今回の件はとても衝撃的で負担の大きな出来事だった。気持ちをしっかり切り替えて、明日からの一週間も元気に過ごしたいと思う。

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