無人

休日の自主出勤というのもなかなか面白いものだ。誰もいない事務室に一人でぽつーんと居座り、節電のため電気を消した中で窓の明かりだけを頼りに室内を探索、棚にある実務書やファイルをおもむろに手にとっては、自分の机でゆっくりと丹念にそれらを読み、初めて知ったことや使えそうなことをメモする。そんな感じで、平日では実現できないゆったりとした時間を、職場で過ごすのはある意味新鮮であった。仕事をするつもりで行ったのだが、実質的にはほとんど読書か勉強みたいなことをしていた。新しく課に来てからまだ1カ月たっておらず、どこに何があるかもよく把握していないので、他の職員や、仕事の進行を気にせず、こうして過ごすのは貴重なことだったと思っている。今日は11時前から16時半ごろまで、そうして過ごした。途中で自分の課の事務室に入ってくる人はいなかったが、車から他の課の職員が出勤している様子は確認できた。


ところで、自分は今でも毎日スーツにネクタイに革靴という姿で通勤し、仕事中も上着を脱ぐ以外はその姿のまま仕事をしている。昨年度もほとんど座りっぱなしの仕事だったが、今はそれに輪をかけて座りっぱなしであり、学外の方と相対する機会は全くなくなってしまったので、サンダルでもいいんじゃないかとか、ネクタイ締めなくてもいいんじゃないかとは思うのだが、セーターやベストのようなものは似合わないと思うし、他に適当な格好を探すのも面倒なので1年前からの姿を維持し続けている。スーツは制服のようなもので、考えなくていいから精神的に楽であり、嫌いではない。ただ、Yシャツの襟が首にまとわりつく点が窮屈な格好だとは感じているので、6月1日になり次第、半そでノーネクタイのクールビズスタイルにチェンジするつもりでいる。

(25分)