促音

先週土曜の休日勤務は、実際のところ全然大したことはなかった。大半の時間は待機時間だったので、時間を持て余していた。職場にほとんど人がいない(他部署の人は数人いたので無人ではない)ので、平日と同じような仕事はやろうとしても進まない。何か起案したって決裁は下りない。何をしようか迷っているうちに時間が過ぎて行ったが、「だったら、逆に平日には出来ないこと、一人だからこそ出来ることを、思い切ってやるべきではないか」という考えにやがて至って、積極的に動き始めた。そして、前から気になっていた天井のクモの巣をほうきで払うだとか、棚を整理するだとか、室内にある備品の数や種類を確認するだとか、大学院のプロモーションDVDを見て教育カリキュラムを勉強したりだとかいったことを行ったのだった。途中、室長の椅子に座ってみる、ということも一瞬考えたが、なんか脂ぎっていそうだったのでそれはやめた。自分の好き勝手に出来る自由さは堪らないものがあったが、やっと軌道に乗ってきたところで、今回の出勤の用務だった講習が終わってしまい、帰る運びと相成ったのだった。


とまあ、ここまでがいつもの長々しい前置きで、今回の本題は全て以下のリンク先に集約されている。
 MSN相談箱「法律用語で「つ」の大小について」
 →http://questionbox.jp.msn.com/qa604443.html
一応教員免許とかの関係で法の末端の業務といえる仕事をしてはいるものの、普段自分は法を参照して仕事なんかしていないし、法知識も全然ない。もはや憲法すら怪しい部分もある。だが、この日はたまたま棚で見かけた「文部科学法令要覧 平成十八年度版(出版元:ぎょうせい)」という辞書みたいな法令集が気になったので、読んでみたのだった。「へえ、法律ってこんな構成で、用語の定義とか細かいことまで書かれてるんだなぁ」とか思って、結構面白がって読んでいた。その中で気づいたのが、「促音の部分で、小さい『っ』ではなく、大きい『つ』が使われている」ということだった。最初は「戦後直後の法律だけかな?」と思ったのだが、昭和50年代の法律でもそのように表記されていた。何でなんだろうか。気になって検索してみて、その答えが見つかったのが、上のリンク先を読んだ時だった。要するに、「昭和の時代には戦後もずっと大きい『つ』が使われており、平成になってからやっと小さい『っ』が使われるようになった」ということだった。その理由、経緯についてはリンク先を参照してほしい。本当かどうか、昭和時代に出来た法律と平成になって作られた法律とを比べてみたら、実際平成のほうは小さい「っ」が使われていた。このトリビアが明日から使えるものかどうかは分からないが、少なくとも自分は、これを知ったとき面白いと思った。たぶん法律関係のトリビア、へんちくりんな法律とか、今は実質的に効力を成さない法律とか、正式名称がすごく長い法律とか、逆に短い法律とか、今も現役の一番古い法律とか、そういうのは探せばたくさんあるのだろう。それらをちょっと知りたくなったのだった。


文部科学法令要覧は読んでいて勉強になるし、読み物としてもなかなか面白い。今度昼休みなどの時間のあるときに、また読んでみたいと思う。
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