有終の不備

なんてこったい。携帯を帰りのバスの車内に忘れてきてしまったなんて。


最後の最後でこういうことをするというのは、忘れ物キングの自分に相応しい、呆れた失敗である。大学時代は、外出時に財布を忘れることが非常に多かったし、就活で東京に行ったら大都会のどこかにメガネをケースごと置いて帰ってきたということもあった。メガネは紛失場所に何ら思い当たりがなかったので、それ以来帰らぬ人となってしまった。メガネは高価だが代替が利くものなので渋々諦めたが、携帯はそうは行かない。個人情報の固まりだし、常に傍になくてはならないものだ。従って当然ながらバス会社に問い合わせて回収しなければならない。


そこで問題となることは、2点ある。第一に、乗った高速バスの会社がどれであるかということ。県内の上越⇔新潟間の高速バスは、新潟交通越後交通、頸城自動車の三社が協同して運営しているが、自分が今日乗ったバスがどの会社のバスだったか分からないので、問い合わせる先を限定できないのである。これは単純に考えて、探すための手間が三倍になることを意味するが、それほど深刻な問題ではない。それより問題なのは、二点目、バス会社が自分の携帯を発見し忘れ物として回収してくれたかどうかということだ。スーツのズボンのポケットからずり落ちてバスに落としたようなのだが、窓際の席に座っていたため、携帯が座席と壁の隙間や床、席の下などに落ちて隠れてしまっている可能性もありうる。そうなると一見して気付くということは難しい。実際、自分も座席を立つ際、一度忘れ物の有無を一瞥して確認したのだが、そのときには気付くことができなかった。コンタクトを外してしまっていたとはいえ、あまりにも不覚だった。回収されていないとなると、バス会社に携帯を探してもらうという手間を挟むことになり、手元に返ってくるまでに相当時間がかかってしまうことも考えられる。


というか、今回のトラブルは考えれば考えるほど、厄介な可能性が想像されてしまうので、とにかくいずれかのバス会社に電話して問い合わせてしまうのが一番手っ取り早いだろう。面倒なことこの上ないし、まことに愚かな失敗ではあるが、痛い目にあえば今よりも持ち物に注意を払うようになり、忘れ物癖も少しは改善されると予想される。これも1つの経験だと思って、解決のために明日午前からさっさと動きたいと思う。

(30分)