最近読んでいる漫画

ヒストリエ
寄生獣」で有名な岩明均氏の作品。ギリシャマケドニアといった古代オリエントの世界を舞台に、アレクサンダー大王に仕えた書記官エウメネスの波乱の生涯を描く。寄生獣同様に残酷描写が少なくないが、氏ならではの深みのある心理描写が、時代を越えても変わらない人間の本質を浮き上がらせていて、ぐいぐい引き込まれてしまう。古代の歴史を知らなくても楽しめるし、ギリシャ奴隷制度や都市国家などについてのちょっとした歴史の勉強にもなる。現在5巻まで刊行されている。先月から読んでいるが、どこのサイトでその存在を知ったのかは忘れてしまった。


YAWARA!
20世紀少年」や「MONSTER」で有名な浦沢直樹氏の作品。ずっと前に完結していて全29巻。なんせ描かれたのがバブル期で、20年前後も前の氏の初期の作品ということもあり、氏の近年の作風とは全く異なるものとなっている。主人公は幼いころから祖父の厳しい指導を受けたことで、天才的な柔道の実力を身に着けてしまった女の子、猪熊柔。普通の女の子のように、おしゃれや恋愛をすることを夢見て柔道から距離を置こうとしつつも、孫にオリンピックでの金メダルを取らせようと目論む祖父に振り回され、様々な出来事や出会いを経験していくというお話。近年の浦沢作品と対照的にストーリーがに底抜けに明るく、どのキャラクターも前向きでストレートなところが印象的であり、魅力的だ。主人公の可愛らしさも魅力の一つ。氏が再び、本作や「マスターキートン」のような路線に立ち返って漫画を描いてくれることを願う。

(40分)