限界

中学時代の同学年の飲み会に行ってきた。男女合わせて20人くらい集まっていた気がする。場所は地元の飲み屋。時間が経つにつれグループが出来上がって、それぞれ大いに盛り上がっていた。


みな久しく会っていない人ばかり。女子は誰が誰だか分からなかったが、それで困ることはなかった。なぜならほとんど話しかけられなかったから。一回だけ話しかけられたが、その時は会話が続かなくて、切れ目を見計らって余所に移った。話が続かなかった理由は、恋愛話が出来なかったから。周りはみんなそういう話をしていたので、経験も願望もない自分には全く関与できない世界だった。こういう場ではそういう話が出来ないと通用しないんだなということを実感した。


自分は誰と何を話そうという魂胆もなく、何となく参加した。成り行きに任せたら、特定の友人とばかり話すことになったが、これならその何人かで飲みに行ったほうがよかったかもしれない。その友人とてあちこち動いていたので中途半端にしか話せず、今ひとつ盛り上がりに欠けたのだった。この場にはどうにも溶け込めそうにないなと思ったので、二次会は遠慮して抜け駆けして帰ったのだった。


話題が合わないから、もうどうにも付き合いがたいと思ってしまった。相変わらず職業を説明しても周りはピンとこない様子だったし。面白いこと言えないし。ダメダメだったので、もう限界だなと思った。もう来るべきではないなと。飲み会は自分には馴染めないもののようだ。料理があまりにも余っていたのでもったいないと思って食べていたら気持ち悪くなったし。何か鬱憤が溜まってやりばのないもどかしさを覚えたので、家までは走って帰った。


大学時代遊びそびれたことによるコミュ力低下の影響はかなり深刻なようだ。恋愛をする気も毛頭ない。職場の同僚がリア充ではないことを願いたいが…。

(80篇以上収録)