上司

直属の上司から自分がどう思われているのか、気になるし、不安になる。「無能」「仕事が遅い」「足を引っ張るな」と思われていたら嫌だが、「よくやっている」「がんばっている」「若手のホープだ」と(まずあり得ないことではあるが)過信されていてもやっぱり嫌だ。「普通」「可もなく不可もなし」と評価されているのが一番いい。必要以上に介入されるのも、仕事を丸っきり一任されるのも、望むところではない。


上司が自分の残業をどう見ているのかも気になる。「超勤出してないんだし、残業はそこそこにして、早く帰ったほうがいいよ」と思っているのか、はたまた「仕事が遅いな。のろのろやっているようじゃ超勤なんか付けられる訳ないだろ。書類を起案するまで今日は帰るな」と思っているのか、どちらなのか自分では想像がつかない。だから仕事を途中で切り上げて帰るときの気分はとても複雑だ。何せ正反対の2つの「上司の声」が自分の中で対立しているものだから、どうにも疑心暗鬼になってしまっている。今のところ自分は、明日に向けて体力回復するために、ある時刻を超えたら強制的に帰るように決めているが、上司は学内でも特に毎日帰るのが遅いことで有名なので、職場を出るときは妙な後ろめたさを感じながら帰ることが多い。


上司、上司って、何だろうな。自分は一応、全ての指示に文句なく従い、「ここはこうしたほうがいいんじゃないか」と指摘されれば、一切弁解や口答えをすることなくただ「はい、わかりました」とそれを受け入れることにしているが、役職が違うし自分に経験がないからそうしているだけで、本心では上司の言うことに全て賛同している訳ではないし、ましてや従順に上司を慕っている訳ではさらさらない。例えどんなに「いい人」であっても、仕事をなあなあにして妥協しないためにある程度の対立感情を持って捉えなければならない存在だとも思っているが、今のところはそれを引き合いに出すまでもなく純粋に好きになれない。いなけりゃいいのにと思うし、上司が休みの日には開放的な気分で心安らかに過ごせる反面、たまに適切な助言を授けて助けてもらうこともあるので、上司に対する心情は複雑である。上司と部下の関係、それは組織における永遠のテーマの一つかもしれない。

(25分:2/23)


<注記>
上の文章中の「上司」は、自分の直属の上司(係長クラス)を意味している。