床屋

自分は床屋派の人間だ。


男も美容室に行くのが普通になった昨今、同年代の中ではマイノリティに属するのかもしれない。


美容室にも行ったことはあるが、それも一度だけ。何となく床屋のほうが性に合ってると思って床屋に戻した。


「今日はどうします?」と聞かれても「短めで」とかいえば十分だという気軽さ、顔を剃ってもらうときの気持ちよさ、それと無言でも場が重くならないのが床屋のいいところ。


まあ3つ目は店によりけりか。


自分は知らない人と雑談するのが苦手なので、「会話をしなければならない」状態というのはかなり困るし苦痛だ。


普通免許をとるために教習所へ行っていたときも、技能教習で同乗した教官とはほとんど会話しなかった。必要最低限の質問をするくらいなもの。会話が弾んだほうが楽しいだろうとは思うけど、車のことには興味がなかったし、雑談スキルも無かったのだから仕方ない。どのみち結果として免許は取れたわけだし。


自分が2年の4月以来ずっと通ってる床屋は、理容師のおじさんがそんなに話しかけてこないのと、生協並みに料金が安いところが気に入っている。


今日もその床屋に行ってきた。


で、カット中はずっと無言。


髪を洗って、髭を剃る辺りから、ぽつぽつ話題をふられたので、「まだ就職決まってないです」みたいな話をした。


2年以上通ってても学年や学部を覚えてもらえてないけど、そのほうが「この話したっけ?」みたいな気兼ねが必要ないので助かるかもしれない。


最後のほうで、自分の髪は禿げそうかどうか、という質問をしてみたのだが、おじさん曰く「その兆しはある」とのこと。


やはり父親の血を濃く受け継いでいる宿命か。軽くショック。


何でも、サイドの毛は多いけど、頭頂部はそれに比べ少ないらしい。なるほど、と納得。通りで髪が伸びてくると横に膨れてしまうわけだ。太いし固いからなおさら。


このまま年を取ったら、末は波平かザビエルか、という現実・・・。


・・・サクセスでも買おうかな・・・。

(45分)