登山:黒姫山(2022/10/14)

10月14日(金)、友人と二人で長野県北部の黒姫山(2053m)を登ってきた。シフト勤務の者同士、互いの休日が重なる日を何度か調整し、やっと実現した登山だった。

 

自分にとっても、友人にとっても初めて登る山だったので、戸隠まで行く道路の途中にある一番メジャーな登山口、大橋林道入り口から登り始めた。日帰り登山は日の出とともに登り始めるのが鉄則中の鉄則なのだが、今回は平日で子供の朝の身支度を済ませてから家を出たため、登山口を出発したのは8時45分頃とかなり遅かった。そのため、いつにも増して時計を細かくチェックし、足の運びもハイペース気味になった。それに拍車をかけたのが、一般的な山でよく見かける「○合目」の標識が、この山では(少なくとも自分が通った登山道では)全く設置されていなかったことだった。あとどれくらいで山頂なのかの目処がつかなかったので、ペースが立てづらかった。とはいえ、天気は秋晴れ、日差しも心地よく爽やかで、ちょうど木々の紅葉が進みつつある時期だったので、森の中の景色は素晴らしかった。また、所々急登もあったものの、基本的には緩やかで歩きやすく、ハイキング感覚で気持ちよく登山を楽しむことができた。標高が上がるほどに紅葉は色濃くなり、尾根に出て視界が開けたらさぞかし絶景が・・・と期待したのだが、次第に周囲にガスが立ちこめていき、尾根に出た頃には完全に濃霧に覆われてしまった。濃霧は山頂まで到達してもとうとう晴れることはなく、残念ながら野尻湖斑尾山を見下ろすことは叶わなかった。途中ですれ違った登山者によれば、自分たちが登頂する少し前までは見事な眺望が広がっていたらしく、その点では出発が遅れたことがやや悔やまれた。ただ、山頂での「お約束」であるカップ麺とドリップコーヒーは今回もしっかり味わえたし、また一つ新しい山に足跡を残すことができたので、満足度は総じて高かった。

 

下りは一度も休憩をすることなく一気に駆け下りた結果、13時半過ぎには登山道に戻ることができた。予想外に時間が残ったので、戸隠経由で飯綱高原にある日帰り温泉に立ち寄り、長湯に浸って登山の疲れをじっくりと癒やした。家では子供とともに慌ただしく入浴を済ませるので、湯船にのんびり身を沈めるのは、ただそれだけで格別なひとときに感じられた。こうして、「温泉付き登山」という贅沢な時間を満喫し、心身ともにリフレッシュして、充実した休日を過ごすことができたのだった。ついでに、帰宅後の妻の機嫌も上々で、ほっと胸をなで下ろしたのも忘れてはならないポイントだった。終わりが良くなければ、どんな充実した一日も台無しになってしまうというものだ。

 

今シーズンは、これが最後の登山となった。登ったのは南葉山、妙高山黒姫山の3峰のみだったが、山の中で友人とともに過ごす時間や、登頂時・下山時の達成感はいずれも格別で、回数以上の価値があったと思っている。登山ができる機会は多くはないが、その分1回1回を心の底から楽しめるように、家庭と自分自身のコンディションをその日に向けてしっかり整え、大切にしていきたいと思う。それは、これから来るスキーシーズンにもそのまま当てはまることだろう。

 

【登り】2時間25分
【山頂滞在時間】40分
【下り】1時間45分
【トータル】4時間50分



(90分)