ワクチン接種

7月下旬、8月下旬の2回に渡り、新型コロナウイルスのワクチンを接種してきた。当初は7月上旬にファイザー製ワクチンの職場での接種が開始されるはずだったのだが、件の「供給不足」に引っかかって予定が遅くなり、場所は市内の集団接種会場に、打つのはモデルナ製ワクチンに変更になった。これに伴い、接種間隔も4週間空けることになり、結果的に1ヶ月がかりでの接種となった。

 

ワクチン接種に関しては、色々なデマだとか、副反応への不安だとか、接種忌避につながるネガティブな情報が飛び交っているようだが、自分はそれらの情報を特段気にはしなかったし、積極的に調べることもしなかった。とにかく、このコロナ禍が「収束に近づく」ための前進となるのであれば、例え多少何らかのダメージがあろうと、自分としてはワクチンを接種するのがプラスになると考えていた。ワクチン接種を受ける目的・メリットとして重要視していたのは、①自分がコロナにかかる可能性及び重症化する可能性を下げること、②自分が媒介者となって家族や同僚やその他の人々にコロナの感染を拡げてしまう可能性を下げること、③コロナ禍が社会全体に暗い影を落としている状況から脱するための希望を得ること、の3点だった。どんなことであれ、メリットがあればデメリットが伴うのは当然である。何のリスクもない、あってはならないかのように、「安心、安全」などという言葉が政府・行政によって喧伝され、それを当然のように求めるような社会は、大衆が自らの判断能力を放棄した「ディストピア」以外の何ものでもない。だから自分は、自分の判断で、自分の責任で、ワクチンを打つという選択をした。これまでの状況から、1年前に考えられていたような「多くの人がワクチンを打てば、以前のような生活に戻れる」という楽観論はもはや有り得ないということも承知の上で、あくまで幾分かでも今より精神的な希望が持てる状況に近づくための手段として、選んだのだった。

 

接種後の経過だが、1回目のときは、2・3日ほど接種した左肩が腫れ、左側に寝返りが打てずに苦労したくらいで、特に目立った副反応はなかった。そのため、自分は副反応が弱いタイプなのかなと思い、1回目よりもむしろ軽い気持ちで2回目の摂取に臨んだ。だが、2回目の副反応は思ったより重かった。接種翌日は朝から38度台の高熱に見舞われ、最高体温は39.2度に達した。この10年ほどインフルエンザにかかったこともなかったので、この高熱は体に堪えたし、頭痛、悪寒、倦怠感など様々な症状も一緒にやってきたので、この日は食欲もなく、終日ほとんどベッドで横になっているほかなかった。これはしばらく収まらないのではないか・・・と弱気になったのだが、3日目の朝には平熱に戻り、そのまま種々の症状も沈静化して通常の健康状態を回復した。ロキソニンSを飲み、大量に水分補給をして寝汗をかいたのが効いたのかもしれない。2日目は日曜日で元々休みだったが、3日目の月曜日も大事を取って年休(ワクチン接種の特別休暇も取れたが、年5日の年休消化を優先した)にして家で休んだ。ともあれこうして、無事にワクチン接種という一大イベントを終えたのだった。

 

2回のワクチン接種を済ませたからと言って、今後もコロナ対策を続ける生活が変わる訳ではない。今のところは、ワクチン接種のインセンティブになるような経済的なメリットも用意されていないから、直に接種率が頭打ちになるのも目に見えている。それでも、接種によってリスクが多少なりとも下がったことによる本人の精神衛生上のプラス効果は大きいはずだ。少なくとも自分にとってはそれが最大のメリットである。何をもって「コロナ禍が収束」したことになるのか、それが5年先なのか、10年先なのか、今は見当も付かない。だが、そのための手がかりとなる方法があるのであれば、自分は今後も積極的に取り組んでいくつもりである。

 

(35分)