雪山の無い冬

今年の冬には、2つの異変があった。

 

一つは、35年ぶりの積雪量を観測した記録的豪雪だったこと。12月に積もった初雪がそのまま根雪になって3月まで残ったのは、本当に久しぶりのことだった。

 

そしてもう一つは、スキーを1回も滑らなかったことだ。シーズンを通して一度もスキーをしなかったのは、社会人になってからの10年で初めてのことだった。理由は色々とあった。最も大きかったのは、育児があるので土日に自分の時間が取れなかったこと。そのほかにも、唯一のチャンスだった振替休日の日に天気が悪く、行くのを諦めてしまったこと、コロナ禍で心が沈んでしまい、一人で「スキー場まで行く」ためのエネルギーが湧かなかったこと(スキーをしたい気持ちに面倒くささが勝ってしまった)、などが原因だ。せっかく実家から引っ張り出したスキー道具も、使わずにそのまま片付けることになってしまった(ただしスキーウェアは雪かきにも使ったのでクリーニングに出した)。

 

そんなわけで、雪はたくさんあったのにスキーに行けなかった今シーズンは、「雪山の無い冬」となった。冬の最大の楽しみだったはずのスキーができなかったのは、何とも味気なく、残念でならない。桜が散った今でも、冬が終わったという実感がなかなか湧かないほどだ。とはいえ、スキーの趣味をこれで終わらせるつもりは毛頭ない。来シーズンこそはスキーを復活させるため、心のエネルギーの回復とイメトレ、そして土日の行動封鎖をひっくり返す切り札となる「子連れスキー」の実現に向けて頑張っていきたい。

 

(25分)