平日の夜

昨年に子供が生まれてからというもの、休日はほとんど人との予定を入れず、終日家族で過ごすのがデフォルトになった…ということをこれまでに何度か書いた。同様に、平日の夜の過ごし方も、ここ最近になって大きく変わってきている。


第一に、帰宅時間が変わった。今年の4〜6月は、月の平均残業時間が60時間で、平均退勤時刻も20時35分だった。このため、20時前の子供の入浴に間に合わず、入浴から着替え、寝かしつけまで妻に頼り切りに近い状態だった。それが、7〜9月には、月の平均残業時間が31時間、平均退勤時刻も18時40分に改善。遅くとも19時半頃には帰宅できるようになり、ほぼ毎日子供と一緒に風呂に入れるようになった。元々、妻の育休復帰を見据えて、到底このままの働き方を続けるわけにはいかないし、自分自身も育児に関わりたいと強く感じていた。また、3月末まで月100時間超の残業をしていた時期もあり、心身共に相当無理がたたっているのも自覚していた。そのため、業務のピークである毎年度の報告書作成が6月末に終わったのを契機に、7月から思い切って帰宅時間を早めてみたのである。経営企画部門5年目の経験を活かして、常に計画を立てながら仕事のやりくりを工夫することで、「19時半帰宅」をかれこれ4ヶ月継続できている。この時間帯に日常的に帰宅できるのは、前の部署にいたとき以来で、7〜8月頃はまだ外が薄明るいうちに退勤するのを何だか不自然に感じて、落ち着かなかったものだった。


第二に、自宅で余暇に充てられる時間が増えた。19時半の帰宅だと、子供との入浴、寝かしつけ、夕食等を済ませても、たいていまだ21時頃なので、就寝まで2時間ほど自由時間ができる。この時間を使って、妻と共にテレビ番組やDVDを観たり、妻の勧めでずっと休眠状態だったゲームをするようになったりして、久方ぶりに平日の夜をゆっくり過ごせるようになった。7月からは、海外ドラマ「ウォーキング・デッド」を見始めたところ夫婦でハマり、たった3ヶ月余りで早くもシーズン6まで見進めてしまった。同じドラマを観るようになって共通の話題が増えたことも手伝い、妻と話をする時間が増えたのは非常によかったと思う。子供の保育園入園に向けて、色々準備したり相談したりすることが必要だったので、夜の時間をそれにも充てることができた。ただ、自由時間とは言え、妻と一緒に過ごすのが大前提なので、PC作業や、読書など、一人で集中するようなことは基本的にできない。そうした時間は、週末や、平日の早朝に早起きすることで作るようにしている。


第三に、子供と接する時間が増えた。上述の入浴が最も大きいが、それ以外にも子供と遊んだり、写真を撮ったりする時間が増えている。早く帰るようになったことの変化を最も実感するのが、この部分である。帰宅が遅かった当時には、子供が朝しか顔を見ない自分のことを父親として認識しないだろうと妻に散々言われたものだが、その予言はこの調子で行けば外れるだろう。


第四に、就寝時間が早まった。従来は24時以降、1時過ぎの就寝が珍しくなかったのが、23時過ぎには確実にベッドに入るようになった。ここでも眠るまで20〜30分ほど妻と話をするので、実際の就寝は23時半以降になることもあるが、それにしても6時間以上の睡眠時間は確保できている。これにより、日中に眠気を催すことが少なくなり、仕事への集中度がアップ。それが仕事の能率改善や、自分の仕事に対する自信回復にも貢献して、19時半帰宅を後押しするという好循環が生まれている。覚醒作用を目的としたカフェインの摂取量も確実に少なくなったので、体調改善にもつながっていると思う。


これらの変化による副次的な影響として、妻の機嫌も大きく改善した。「ワンオペ育児」状態だった妻の負担とストレスは相当高まっていて、6〜7月当時はかなりピリピリしていたのだが、上述のように、自分の育児参画時間がかなり増えたし、妻とのコミュニケーションの時間も相当増えたので、妻も笑顔を見せてくれるようになった。ここ最近は危機的な喧嘩に発展することは少なくなってきたと感じる。これまで絶えず、反省と改善を繰り返してきた成果も出てきたということだろう。ただし、くれぐれも油断は禁物だ。ぼーっとしていると、自分の性格であるマイペースさが行動に表れてしまい、夫婦関係にとってネガティブな結果を招くことになる。例えば今朝のように、出勤前にAmazonで売れた商品の梱包を始めたりするのはアウトだし、子供の買い物のついでに関係ない店に立ち寄ろうとしたりするのも同様だ。


来月からは、子供が保育園に通うようになり、12月からは妻が職場復帰することになる。生活リズムもまた大きく変わるだろう。自分の仕事も再び繁忙期に突入するので、今の帰宅時間を続けるためには、さらなる業務改革が必要になる。ここで気を緩めることなく、妻と子供の幸せと、家庭の平和のために全力を尽くしていきたい。

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