雑念:2017/11/12

今年も残すところあと一ヶ月半。有給休暇は、15日分くらい繰り越せずに今年も消滅してしまう見込みだ。よく、使いきれなかった分は会社で買い取って、その分手当をくれればいいのにという声を聞くが、そんな制度を会社が作ったら、有休を使うなと言ってるようなものだし、人件費の増大を招くから、普通はまずあり得ない。会社には積極的に有休を使える雰囲気作りや、仕事が特定の人に偏らないようにする配分の工夫が求められているんだし、社会的にも働き方改革が叫ばれているんだから、どうしたらもっと休みが取れるようになるかを議論もしないでそんなことを言う社員にも問題があると思う。単純に有休買い取りを口にする人を見る度に、心の中でそう憤慨している。そして、労働者の権利を堂々と行使できるほどの働きをできていない自分が情けなくなる。もし自分に部下がいたら、計画年休で月1日は必ず休ませてあげたいのだが、現実には自分はまだ係員だし、そんな理想から最も遠い労働環境に身を置いている。


ここ一ヶ月、帰宅するのは22時台か23時台の日が一般的だ。空腹だと身がもたないし、帰ってから食べると胃腸に負担をかけるので、定時後すぐに学食に行って夕飯を食べることが多くなった。休憩も兼ねられるので合理的だし、その時間帯にちょっと席を外す人も多いので、それほど目立つこともない。もちろん、休憩時間分は残業時間から差し引いている。ここで栄養補給して、毎日4、5時間以上の残業を乗り切っている。こんな働き方は正直したくはないし、心身の健康上マイナスなのは当然わかってはいるが、課長すら日を跨いで働いているような部署にいるので、その環境でサバイバルしていくにはやむを得ないことなのである。ただ自分は休日出勤は断固しないようにしているので、まだ労働時間は短いほうだ。一番しんどいのは、直属の上司の係長だろう。毎日残業して土日も出てきているから、体がおかしくならないか心配だ。もし自分が上司のように50歳近くもなってこんな働き方をさせられたらと考えたら、ぞっとする。ずっとこんな状況の部署もあるのに、大抵の部署は一時的な繁忙期以外はほとんど残業せずに帰っている。それでいて、残業代以外の給料は変わらない。自分などは、お金を払ってでも休みたい、残業時間に時間休を適用できるようにして欲しいと思っているくらいなのに、他の部署では年休を使わなくても十分余暇を楽しめるくらい平日に時間的なゆとりを持てる。この組織の歪みは、セクショナリズムの極致であると同時に、全体的な視点で社員の幸福や健康を考えようとしない経営層の欠陥に他ならない。公的セクターは、雇用が一定程度保証されているため、社員の退職につながるようなリスクへの想定や対処をきちんと講じていない。だから、民間企業より労働時間が短いはずだなどと安易に考えると、実際にはとんでもなくブラックだったという場合もあり得ることを注意したほうがいい。市役所も、21時、22時でも煌々と灯りがついているから、どこも同じようなものだろう。


土日仕事に行かない分、何をしているかと言えば、自分はずっと、妻と子供と一緒に過ごしている。妻は実家に里帰り中なので、自分が会いに行って妻の実家に泊まったり、妻が子供を連れて週末だけアパートに来るかのどちらかになる。子育てには自由な時間はなく、予定が立てられないので、友人と会ったり、趣味やスポーツに充てたりする時間はほぼ完全になくなった。趣味人間だった自分には考えられないくらいの変化だ。妻と子供のためとはわかっているし、子供とのふれあいを楽しんではいるが、それでも息抜きにロードバイクで走って体を動かすことも叶わないのは厳しくもある。元々世界一難しい妻が、宇宙一難しい妻にクラスチェンジしたので、毎日何が起こるか分からず、妻に戦々恐々しながら過ごしている。


そんな緊迫した日々が月月火水木金金で進行中。誰にも相談できないのが辛いが、妻には無抵抗主義を貫いているので、頑張るしかない。

(携帯、70分)