ゴースト・イン・ザ・シェル

士郎正宗原作、押井守監督の1995年公開の同名アニメ映画のハリウッドリメイク作品、「ゴースト・イン・ザ・シェル」を、今夜一人で見に行った。押井守作品から攻殻機動隊の世界に入った10年来の攻殻ファンである自分としては、内容の如何に関わらず、観ないわけには行かなかった。感想としては、まあ実写化したらこんなもんだよね、というところ。話の流れは押井作品がベースだったので先が読めたし、盛り上がりも意外性もあまりない展開で、世界観にのめり込むというよりは、正直言って淡々と観ていたような2時間だった。攻殻ファンを相手にするには、どうにもチープさや違和感の漂う映像世界だったし、かといって一般受けを狙うには、義体化や熱光学迷彩、電脳化といった攻殻世界の根本をなす技術や、2030年前後の日本を舞台にしているという世界設定に関する説明がほとんどなく、一般客にはちんぷんかんぷん過ぎたと思う。なんだか中途半端な作品になってしまって、せっかくのビートたけし桃井かおりといったキャストを生かし切れていない印象を受けた。まあ、自分の頭が、原作漫画や押井作品、神山作品によって形成された「攻殻かくあるべし」というイメージに支配されすぎているのかもしれないけれど。昨年は10年ぶりにSACを観賞して想像以上に楽しかったので、今年は時間を作って2ndGIGを観てみたいと思う。

(20分)