取捨選択(趣味編) その1

1日1日が、30代突入までのカウントダウンに感じられて、戦々恐々とする今日この頃。今までの人生では、意図せざる選択や回り道こそが、自分の視野を拡げてきたけれど、これからはそういうことも、ある程度効果を見極めて絞っていく必要があるように思う。セレンディピティもあり得るから、無駄をゼロにすることは好ましくないが、明らかな無駄はそぎ落としていくべきだ。そういうわけで、自分が長年続けてきてた行動を、一度棚卸ししてみる「取捨選択」に去年から取り組んでいる。今回、それを趣味にも適用してみた。


お金と時間を無駄にしている気がして、今回やめることにしたのは、「TUSTAYA DISCASでのDVD/CDの宅配レンタル」である。月額約2,000円で、8本(2本×4回)のDVD/CDを宅配レンタル(返却は郵便ポストに投函)するサービスをずっと利用してきたが、DVDを毎月見るのが時間的に厳しくなってきたのと、以前のようにアニメを視聴しなくなってきたのでやめることにした。一つのアニメを1、2クール分、一気に観ていた頃は、次のDVDが家に届くのが便利だったが、最近はめっきりそうしたことはしなくなったし、映画も観たいものがなくなってきたので、毎月の既定のレンタル回数の枠を使い切れないことが常態化してしまっていた。サービスを続けるために、無理矢理観たい作品を探すのも変な話だし、早く返さなくてはという気持ちに追い立てられてせかせかと観るのも嫌なので、思い切って今月から宅配レンタルサービスの利用を中止した。現在は、激変緩和措置として、DISCASの月額約1,000円の動画配信サービスを利用しているが、これもある程度経ったらやめるつもりでいる。年間36,000円以上をDVD/CDのレンタルに費やしてきたので、これがなくなると大きな時間的金銭的な節約につながるだろう。


2006年9月の利用開始から現在まで、途中で一時的な中断期間を挟みつつも、DISCASの利用を継続した期間は実に10年半に及ぶ。利用者の中でも、最古参に近い部類なのではないかと思う。これまでに借りたBul-ray/DVD/CDは、計975枚に上る。その中には、歴代ガンダムシリーズ攻殻機動隊コードギアスプラネテスカウボーイビバップなどの錚々たる作品が並んでいて、DISCASでのレンタル履歴はそのまま自分のアニメ遍歴と重なっている。この10年間で自分がこのサービスを通じて視聴したアニメ、映画作品から受けた影響は計り知れない。今の自分の人格形成に確かな痕跡を残したこれらの作品との出会いは、自分にとって宝物だと言っても過言ではないだろう。今後は、これらの作品を時間をかけて再視聴することに重きを置くこととし、新たな作品の開拓は少し控えるつもりでいる。10年前と現在とでは、同じ作品の同じシーンを観ても、受ける印象がきっと違うはずだ。それをもう一度観て確かめてみるのも、非常に乙なものだと思うのである。


多くの作品を視聴するため、数をこなすために、DVDを定期的にレンタルする時代は終わった。今後は、観たい作品を、観たいと思ったときにスポットでレンタルする、あるいは大好きな作品のDVD(Blu-ray)を買って繰り返し観るスタイルに移ることになる。量より質へのシフトは、これから他の行動を取捨選択していく上でも、基本的な方向性となることだろう。

(45分)