白い巨塔

少し前から、「白い巨塔」のDVDを借りて視聴している。10年ほど前にフジテレビで放送された、唐沢寿明主演のドラマであり、言わずと知れた山崎豊子原作の作品である。あまりにも有名だが今まで見たことがなかったので、世間の常識を学ぶつもりで手に取ってみたのだった。


物語の舞台は、国立大学の医学部付属病院。助教授(現在は准教授という)であり外科医の財前五郎が、権謀術数を駆使して教授に出世し、医療裁判の被告として訴えられながらも、病院の中でのし上がっていく様を描いている。高い倫理と誠実さが求められるはずの医師が、私怨や私欲にかられて道を踏み外してしまうという、人間の醜さや医療界の矛盾をテーマにしたシリアスな話だ。ただ、デスノートの例もあるように、シリアスというのは突き詰めるとときに秀逸なブラックコメディになるもので、目的を達するために選んだ手段があまりにもバカバカしいものだったり、勝ち馬に乗ろうとして結託して誰かを仲間外れにしたりする場面には、思わず笑ってしまった。また、教授会や保健センター、法人化など、大学に働く者ならつい反応してしまうキーワードも登場するので、見ていてにやりとしてしまう場面もちらほらあった。とはいえ、ドラマの中の多くの登場人物たちのように、周りの空気に同調し、常に実力者の顔色を窺っているような窮屈な生き方は、自分には出来そうにもない。利権や権威とは無縁の生活をしている自分のような人間にとっては、とことん現実感のない話だが、物語としては非常におもしろいので、早く続き見たくて仕方ない。今日も帰宅後1時間半ほど視聴したのだが、熱中していたら友人からの電話にも気づかなかった。視聴後に再び電話がかかってきて話が出来たのでよかったが、2話分で止めずにもう1話見ていたら今日は話せなかっただろう。本作に限らず、平日にあまりドラマ等を何話も見るべきではないかもしれない。残り4話で完結するのだが、先を急ぎたくなる気持ちをぐっとこらえて、1話ずつじっくりと視聴していくとしよう。


先月は、記事の体を成していないものも含めて、曲がりなりにも1か月間、毎日更新してみたのだが、平日の夜にブログを書こうとすると著しい睡眠の妨げになり日中自分の首を絞めることになるので、やっぱり無理があるという結論に至った。朝活・朝ブロが毎日出来るようになるまでは、従前の不定期更新に戻そうと思うので、あしからず。

(35分)