星空

1日中晴天だった今日は、日中の気温が20度を超え、暖かいを通り越して少し暑いくらいの陽気だった。このぽかぽかした空気は、まさに春が来たなという感じ。桜の開花ももうすぐだろう。


ただ、自分の心は今日の天気のようには晴れ渡っていなかった。年度替わりで、様々なことの終わりと始まりが、特に別れと出会いが交錯することに対して、どうにも感傷的な気分になってしまう。自分の異動、職場に入る新人との付き合い方、職場の若手の企画を牽引する役割の今後の在り方、自分のキャリアプラン全般、20代の時間が残り少なくなっていくことへの焦り・・・。手本もなく、身近に相談できる相手もいないので、一人でただ悶々と考えてばかりいる。こんなとき、年上の兄弟がいたらいいのにと思うが、あいにく自分は長男だ。いつだって、手探りで自分の道を切り拓くしかなかった。そのせいか、そもそも誰かに相談するということをしないで独断専行することが多かった。悩んでも仕方ないし、結局は行動あるのみなのだが、異動前で仕事があまりにも立て込み過ぎていることで、休日でさえ自由な時間が十分でないため、行動を伴わない思考ばかりが膨らんでしまう。「悩むなんてばかばかしい。生きているだけで十分じゃないか」と言われれば確かにそうではあるのだが、気持ちというのはなかなかそう簡単に割り切れるものではない。大学を卒業してはや4年になり、社会人として今までの「新人時代からのやり方」の延長戦上では通用しなくなりつつあることを実感している。変えないと、変わらないと、手遅れになる前になんとかしないと・・・。そんな思いばかりが先走って、いつも何かにつけ「焦り」にかき立てられている。


そういうモヤモヤが溜まってどうしようもなくなったときは、夜、外に出て星を眺めるようにしている。「ふたつのスピカ」という宇宙飛行士を目指す高校生たちを描いたアニメを最近見ていた影響で、少しだけ星座が分かるようになったので、夜空を見上げて、北斗七星、アルクトゥルス、スピカを結ぶ「春の大曲線」を探してみたりしている。ド田舎の特権というべきか、周りに街明かりがないので、家から10mも離れればそこには満天の夜空が広がっている。今までオリオン座くらいしか分からないほど星座に疎かったので、新しい星座を覚えるのは容易ではない。だが、昔からの「宇宙好き」を自称する身としては、星座の知識もないようでは恥ずかしいというものだ。何とか有名どころだけでも覚えたいと思って、小学生のときに使っていた星座早見盤を片手にアナログに星を探している。自分の利害に何の影響も及ぼさない遠い遠い宇宙のかなたにある星々に思いを馳せると、心が少しだけ楽になる。そんなことで、辛うじて心の平穏を保っている。経済合理性を価値基準とするリアリストな自分が持つ、少しロマンチストな一面が現れるときである。


心のモヤモヤを解消するには、自転車で遠くに行くのが一番なのだが、スギ花粉が大量飛散中の今はちょっと分が悪い。4月下旬から自転車生活を本格化させるつもりで、来週からはロードバイク購入のためのアクションを起こして行きたいと思っている。ロードの品定めは非常に大事なので、消費増税前に駆け込みで買うことはしなかった。そもそも、増税前の日用品のまとめ買いや高額商品の駆け込み消費は、短期的には合理性があっても、今後も増税が続く中で中長期的に合理的とは言えないので、自分は特にそうした行動は取らなかった。それに何より、せこせこした真似をするのはかっこ悪いではないか。目先の利害や問題に心を煩わせることなく、一段高い視点から物事を広く深く見つめられるような人間になりたいものである。

(50分:3/29・30)