耳鼻科

今日は火曜日だが、年休を取っていたので自分は休みだった。4日間に及ぶ旅行の疲れを癒すために予め休みにしていたものだったが、結果としては旅行中に患った風邪の療養のために使われることになった。


旅行中は2日目の夜から体調が悪化し始め、3日目の途中からは鼻水が止まらなくなり、悪寒と咳にも苦しめられることになった。これら自体は典型的な風邪の症状だったので、時間が経てば治るものとしてさほど深刻には考えていなかったのだが、今朝になっても残っていた「耳の違和感」がどうにも気になってしまった。この違和感というのは、具体的には左耳が若干聴こえづらい状態のことである。昨夜、飛行機が着陸態勢に入って降下して機内の気圧が上昇した際に、鼻づまりのせいで中耳の気圧調整が出来ず中耳が陰圧になっていた左耳で、鼓膜が中耳側に引っ張られた。そのときに痛みに似たやや鋭い感覚があって、着陸後しばらくして中耳の気圧が元に戻った後も、左耳だけ外界との間に板を1枚隔てているかのような聴こえづらい状態が続いていた。これが今朝になっても治っていなかったため、不安を感じていたのだ。ネットで調べてみると「航空性中耳炎」という症状であるらしいことが分かった。一般的には数日で自然治癒することが多いらしいが、中には耳に損傷を負っている場合もあるという。「痛みはないし、たぶん大丈夫だろう」とは思ったが、万が一ということもある。念のため医者に診てもらおうと思い、耳鼻科に行くことにした。


市内の耳鼻咽喉科の医院に着いたのは、午前10時前のことだった。耳鼻科なんてこれまで行った覚えがなかったので、ネットで調べて家から一番近くにあると思われるところを選んだ。平日だったからか、院内は比較的空いていた。問診票に受診の経緯を書き、待合室に座っていると、さほど待たずに名前を呼ばれた。まず、聴力検査を受け、その後医師の検査となった。医師曰く、「耳は自然に治るから心配ない」とのこと。これを聞いて胸をほっとなでおろした。しかし、医師は続けてこう言った。「でも鼻は酷い。これは酷過ぎる」と。処方せんを出すから一週間後にまた来いと言われ、そのまま鼻腔の吸引を受けることになった。医師のストレートな言動に、そんなに酷いのかと思わず笑ってしまった。自分としては普段の風邪や花粉症のときの症状と比べてそれほど悪いようには思えなかったが、自分の普通が普通じゃないのかもしれないので、特段言葉は返さず従うことにした。言われるがままに鼻の穴にガラス管を突っ込むと、噴霧化された薬剤が鼻の中に入っていき、すーっとするような感じがした。その間、口で呼吸をしたが、口を開いたまま呼吸を止めてみると、口から薬剤が白い煙となって出てきた。何だか面白かったが、外に出してしまっては効果が薄れるだろうし、何より大人げないことをしていると思ったので、遊ぶのはほどほどにしておいた。今日は鼻づまりの症状は軽かったので、吸引後も特別すっきりした感じはしなかった。ともかく、これを受けたところで今回の診療は終了。会計を済ませて、外にある薬局で薬の処方を受けてから、その場を後にした。


薬は鼻から吸入するタイプのものと、シマノコンポーネントみたいな名前の錠剤の2種類で、1週間分を渡された。どちらも鼻の薬である。薬を飲む習慣が全くないので、今日のところは服用するのを忘れてしまった。相変わらず鼻と喉がよくないので、明日からは必ず飲もうと思う。でも目的だった耳の懸念が払拭された以上、一週間後に医者を再受診するかどうかは分からない。

(50分)