最大の壁

イベント後の懇親会で、初めて会った人と和やかに談笑する・・・そんな社会人として当たり前に出来なければならないことが、自分は苦手だ。県内大学対抗の野球大会の懇親会に参加した今夜、それを深々と痛感した。もう何度同じことを感じたか知れない。去年の同じ会でも同じことを感じていた。学生時代からずっと苦手だったが、その問題の深刻さは年を経るごとに増している。問題意識は当然普段からあるし、積極的に話しかけていこうとか、お酌をして回ろうとか、普段より明るい声と表情で振る舞おうとか、そういうことを思ってはいるのだが、なかなかうまく行かない。職場の後輩の若手職員がそれを普通に出来ているのを横目に見ながら、焦りばかりが募ったのだった。これでは、後輩に対して示しがつかない。若手職員に声掛けして色々企画したり、若手のまとめ役的ポジションをやっているせいか、「若手のホープ」なんて自分に言ってくれる人がたまにいるが、それに対してはとんでもない誤解だと否定しなければなるまい。この調子では、出世の望みはないどころか、これから仕事を続けて行くのも難しいだろう。よそに出向に行かされることにでもなったりしたら、なおのことピンチだ。そういう気配が漂ってきているだけに、正直言って今後のことが心配で、本当に気が気ではない。


自分は凡人ではない。人にとっての当たり前なことが、自分にとっては困難な壁として立ちはだかることが多々ある。そして何より心が弱い。自分の弱い心、自堕落な気持ちにすぐ負けてしまう。だから進歩がない。向上心が、何かを達成するところにまで突き進んでいかない。認識されている多くの課題は、手つかずか、かじりかけのまま放置のどちらかだ。ゆえに、一向に変わることが出来ない。どうにかしなきゃいけない。もう時間がない。年齢で甘く見てもらえる時代はとうに過ぎたし、そこに甘んじる心が残っているとしたら永久に捨て去らねばいけない。自分はもっと、自分に自信を持ちたい。地に足のついた、実力を伴う健全な自信を持ちたい。向上心の塊でありたいと思うし、昨日より今日のほうが進歩した自分でありたいと願ってやまない。もう遅いのかもしれない。三つ子の魂百まで、なんていうから、根本的には変われないのかもしれない。でも少なくとも、このままでいては絶対にいけない。何としても、歯を食いしばって、買ってでも苦労をして、自分を変えようという試みを続けていかなくてはならない。


その強い思いを、明日の自分と共有できることを強く信じて、今夜は眠りにつくとしよう。

(30分)