飛来

黄砂が来た。本格的に来た。退社する時、車に雨と黄砂が混じって出来た斑点模様がついているのを見て、それを確信した。嫌な季節が来たと思った。今日は昼から西の風が強く吹き、それに乗って黄砂も飛来したようだ。気象庁の黄砂情報(予測図)を見てみたら、自分の住んでいる地域にも黄砂の飛来を示す色が塗られていた。花粉も飛んでいるようで、屋外で強い風を浴びた後、目がかゆくなってしまい非常に不快だった。車の中も砂塵と花粉でどんどん汚れてしまいそうだ。その上、虫も飛び始めた。ユスリカの蚊柱なんてものは、自転車乗りの大敵である。急に暖かくなったせいで、体の季節感覚と実際の気候が乖離してしまっている気がする。雪が解けて土の地面が次第に露出し始めたが、これには違和感を禁じ得ない。まだ早いだろ、と思う。もっとじわじわと春になってくれないと困る。あんまり急だと適応するのも大変だ。真冬のコートを着ていると暑いが、まだ衣替えをするには早い。外出時の服装を考えなければならなくなるのは面倒だ。冬はコートさえ着ていれば、その下の服は何でもいいから楽でいい。真夏もポロシャツを1枚着ていれば事足りる。それに比べ、春と秋の季節の変わり目は苦手だ。やっぱり自分は、寒いけれど空気と世界が澄んでいる冬のほうが好きだ。前日までの雪が止んで、雲ひとつないきれいな青空が広がった冬の朝・・・なんてのが特に好きだ。絶好のスキー日和だからだ。朝は晴れて、10時くらいから曇りになる、というのだと最高である。気温が上がらず、新雪が解けないからである。そんな日が来ることは、今シーズンはもうないと思うと一抹の寂しさがある。明日からの土日も2日間まるまる使って、仕事関係の付き合いで赤倉に泊りがけのスキーに行くのだが、新雪など望むべくもなく、雪質がもうベトベトに解けた残念なシャーベット状態になっているのは目に見えているので、気乗りはしない。まあ、シーズンを終える前に、今年教わった滑り方を復習し確実に身につけるという意味では大切な機会でもあるので、明日の朝に家を出るときには、気を取り直して前向きに臨んでいたいと思う。

(35分)