かんずり

最近まともにブログを更新できていないのは、自分がこのブログのことを放棄したということではなく、単に慌ただしい日々が続いていてまとまった時間が取れないことによる。記事の体を成していない半端な記事については後日きちんと書き上げるつもりでいる。というか、書かないと心や頭の整理が気持ち悪くて仕方がないので、自分自身のけじめをつける意味でも必ず書きたいと思っている。遥か過去の未完の記事に対するスタンスも、基本的には同じである。たが、その「いつか」がいつになるかという具体的な取り決めや期限はない。


ブログを書けないほど仕事が忙しいのかというと、そういう訳でもない。年末年始と年度末年度頭が猛烈に忙しくなるのが給与の仕事だが、一方で2月の中下旬は比較的手が空いている。嵐の前の静けさというやつだ。それゆえ、保管用の帳票の印刷や資料作成の役に立ちそうなデータの集計や試算等のいつでも出来る仕事をやったりしている。今日も保管用の源泉徴収票のミシン目を一人で黙々と破り続け、3時間かけて完遂した。普段なら非常勤さんに依頼するような作業なのだが、給与担当配属の唯一の非常勤さんがつい最近事情があって退職してしまったので、今は何でもかんでも自分でやるほかない。恐ろしいほどの単純作業だったので、手を動かしながら色々と考え事をして気を紛らわせた。ブログのネタになりそうなこともいくつか浮かんだので、いずれ形にする機会を設けたいと思う。残業する体力がなかったので18時過ぎに退勤した。1月に入って以降、平日は仕事に打ち込み、休日は朝早くから車を運転して雪山に行ってばかりいるので、体がまともに休まらず、体力も気力も不十分な状態が慢性化している。特に今月の三連休や先週末はスキーに出ずっぱりだったし、職場の人との付き合いで気を遣ったこともあって、かなり消耗した。平日に体を休めて週末に向けて体力を少しずつ蓄えているのが実態で、まさに本末転倒のような状態だ。これだけスキー一筋に休日を使っていても、悲しいかな、全くといっていいほど上達していない。むやみに回数ばかり重ねても効果は薄いというのを自分でも実感している。来シーズンは回数を減らして、1回当たりの中身をもっと充実させる、例えばバッジテストを受けて腕試しをするとかいったことを目指して行こうかと考えているところだ。そうなると、あちこちに遠出せず近場のシーズン券を買って行った方がよほど合理的だ。まあ、そこら辺は、今シーズンの滑り納めのときにきちんと明確にしておくとしよう。


今週末もスキー、と行きたいところだったが、この土日は独逸に行ったメンバーのうち約10名で新潟市の仲間のところに集まって旅行することになったので、スキーはお預けとなった。自分は車で新潟まで行くことになっている。正直言ってそれほど乗り気ではないのだが、せっかく全国から仲間が集まってくるのだから、新潟県人として出来る限りのおもてなしをするのが筋というものだ。ということで、妙高名物の「かんずり」を手土産に持参することにし、今日の仕事帰りに近所のショッピングセンターのテナントの魚店で購入した。箱入りの70gのビンが1つ630円で、それを10本で6300円。定価で買った代わりに、鮭フレークを1ビンサービスしてもらった。かなりの出費だが、地元のPRのためなら惜しくはない。かんずりは、唐辛子を3年熟成し発酵させて作る地元特産の調味料である。真っ赤だがピリピリした辛さではなく、柚子の風味も手伝ってか、非常にまろやかな辛さだと言われている。1月の寒い時期に唐辛子を雪の上にまく「雪さらし」は冬の風物詩の一つで、県内のニュースでは毎年取り上げられるのが定番になっている。独逸でプレゼントされたマスタードには帰国後使い道に困ったが、かんずりは和洋中どの料理にも使える万能な調味料なので、もらった側も使いやすいと思う。専用の紙袋と、食べ方等の説明書きがおまけでついてきたので、家に帰ってから自分で袋詰めした。このほかに、上越の岩の原ワイン(赤)と、親不知で買った謎の笹だんごキャラメルを持って行くつもりである。明日はスキーが出来そうにないほどの大荒れの天気になる模様なので、早めに出発して余裕を持って運転したいと思う(夜更かししておいてこんなことを言うのは何ではあるが)。






そういえば、今日、2月22日は自分が6年前にクロスバイク新潟市内のアパート(当時)から上越の自宅まで1日かけて130kmを自転車で走破した日だった。風呂に入っていて大判焼きを食べたいな、と思った時にふと思い出した。あの日、実家にたどり着く前にコンビニで大判焼きを買ったのだ。自転車乗りは食い意地が張るので、食べ物の想像から自転車の思い出にリンクすることがよくある。今では考えられないことだが、2007年の2月は県内の平地に全く雪が積もっておらず、自転車で容易に県内を縦断することが出来た。あれは異常気象というほかなかった。かんずりの雪晒しは出来たのだろうかと、当時も心配のを覚えている。雪が降りすぎるのはもちろん困るが、全く降らないのも気味が悪い。やはり冬は適度に雪が積もって白い雪原が朝日に輝くのが「らしい」と感じる。今年もまだまだ寒く、家の周辺でも最大積雪量を今ごろになって更新しているような状況だが、日は明らかに長くなってきており、春の足音は確実に近付きつつある。慌ただしい日々の中でも、そうした小さな変化にはっと気がつけるくらいの心の余裕は失わないでいたいものだと思う。

(80分)