サッカー大会

今日は、県内3大学対抗のサッカー大会があった。台風の接近で雨天になるのではと心配されていたが、実際には雲が吹き飛ばされたのか、逆に晴れることとなった。会場までは現地集合だったので、スポーツ店でハーフパンツやサッカー用のソックスを調達し、11時ごろに会場に着くと、すでに多くの人が集まっていた。さっさと他のメンバーに交じって準備運動をしたいところだったが、何分、初めてのことばかりだったので、色々ともたついてしまった。サッカー用のひざまである長いソックスの中にすね当てを入れることを、現地で初めて知ったりもした。少しばかりパス練習をしたところで、すぐに試合開始時間になった。


総当たりで全3試合が行われ、そのうちの1・2回戦がうちの大学の試合だった。自分は、交代要員で、ゲームの途中から交代で加わるような形だったが、ポジションも動きもオフサイドが何なのかも知らなかったので、正直言って全く役には立っていなかったと思う。とにかくボールを追いかけて端から端まで走って誤魔化しただけみたいな感じだった(おそらく割り当てられたポジションの守備範囲を逸脱していた)。だが、元から「走ってさえくれればいい。その間に休めるから」みたいに聞かされていたし、後で同じチームの人と話したときにも、「あれで十分さ。よく頑張ってたと思うよ」などと言われたので、まあ今回のところは、自分のみっともない姿についてはあまり振り返らないでおこうと思う。試合結果は、1勝1敗で、最終的に2位になったのだった。



初めてサッカーの試合をやってみて、感じたのは「すごくハードなスポーツだ」ということだった。フェーン現象で気温が35度まで上昇したことから、コンディションはかなり厳しく、試合中は汗が止め処なく流れる状態になった。それだけでもきついのに、走って蹴ってを繰り返すものだから、だんだん体にガタがきて、終盤には右足の前側の筋肉が凝り固まって走ることすらままならなくなった。急に方向転換したりするような、細かい切り返しの動きが多いのが、特に足に負担をかける要因になっていた。バドミントンもそういう動きを伴うことは多いが、1回のラリーは十数秒で終わるので、それが何回も連続するということはあまりなく、全体的にバドミントンよりハードだと感じた。交代要員で、全試合時間の半分くらいしか出場していない自分でさえそうなのだから、フル出場に近かった人は相当厳しかったのではないかと思う。メンバーは15人くらいしかいなかったので、交代出来る人は限られていたのである。ましてや、チームの半分以上の人は40代だから、さぞかし身に応えたことだろう。頭が下がる思いだ。


3試合目は他大学同士の戦いだったので、最後までは残らず、着替えや水分補給を済ませると、自分は一足お先に会場を後にした。右足の疲労を中心に体は重かったが、いつもと違う体験ができ、思い切り汗をかいたことで、ちょっとした満足感があった。帰り道の途中でモスに寄って飲んだシェイクは、冷たさとほどよい甘さが格別に美味で、体にしみるようだった。たった250円だが、極上の贅沢に感じた。顔や手足や首筋が真っ赤に焼けたので、帰宅後のシャワーは海水浴後のようにヒリヒリした。


そして、夜。日中に大会に参加したメンバー有志が居酒屋に集まり、懇親会が行われた。遅く来た自分は、他大学の人に挟まれた席に座ることになった。毎年顔を合わせている他のメンバーの方々はともかく、初めて参加した自分にとっては知らない人たちばかりだし、サッカーの話も出来ないので、少し不安な気持ちで臨んだのだが、昨年新任研修で会った他大の同期の人を見つけて彼らと打ち解けたことから緊張は次第にほぐれ、色々な方が話しかけてくれたこともあって、思いのほか楽しく過ごすことができた。それで気分が上気していたことから、40代の方々の誘いに乗って二次会にも参加してみた。カラオケができるお店に入ったことから、40代の方々が歌う演歌や尾崎豊ブルーハーツを聴かされることになった。流れている曲を「知っているか」と聞かれて、自分が「知らない。聴いたこともない」と応え、「やっぱり時代が違うなぁ、云々」というやりとりを続けていたら、自然と音楽の話題が中心になった。それでたまたま向かいの席の人に好きなアーティストを聞かれて、知らないだろうなと思いつつ答えたら、偶然にもその人がそのアーティストのことをよく知っていて、それを皮切りに好きな音楽のことで盛り上がったのだった。ちょうど盛り上がったところで、二次会はお開きになったので、自分はそこで帰ることにしたが、話し相手だった人が自分のことを「音楽の趣味が合う。気に行った」と言って名刺をくれて、「今は東京に出向しているから、ライブを聴きに来ることがあったら声をかけてくれ」と言ってくれた。自分もすかさず財布から名刺を取り出して渡し、「帰ったらライブの情報を検索します」と答えた。初めて会った人のところに趣味で自分から会いに行くと考えると、ちょっと腰が引ける気はしたが、それでも10歳も年上の人と短時間で打ち解けることができたのは、楽しかったし、何だか嬉しかった。別れ際、「来年(サッカー大会に)来てなかったら承知しないぞ!」と言われたので、それまで来年に関する質問にお茶を濁していた自分も「行きます!ウイイレやって勉強します!」と答えた。サッカーの練習はバドミントンと時間が被るので参加できないし、多分、来年になってもサッカーが上達していることはないだろうが、でもこういう出会いがあるのは面白い。だから、来年もこの大会に出ようと心に誓ったのだった。


いつもの土曜日とは違う、中身の詰まった佳き休日だった。来週の野球大会も、楽しんできたいと思う。

(120分:9/4)